以下記事では日本の半導体産業凋落の主要因として、以下の7つを挙げている。

 

 (1)日米貿易摩擦によるメモリー敗戦

 (2)設計と製造の水平分離の失敗

 (3)デジタル産業化の遅れ

 (4)日の丸自前主義の陥穽

 (5)国内企業の投資縮小と韓台中の国家的企業育成

 (6)過剰品質へのこだわり

 (7)半導体を知らない本社主導の弊害

 

どれも要因として重要なものばかりであるが、私としてはやはりリーダーシップの欠如が極めて重要な原因だったように感じる。全体整合のとれた方向性を打ち出し、周りを巻き込み、納得させ、ぐいぐい引っ張っていくような企業側のリーダー、あるいは国側のリーダーが現れなかったことが問題だったのではないか。逆にTSMCでは創業者である張忠謀(モリス・チャン)がカリスマ的なリーダーシップを発揮して今のTSMCの繁栄を築いたことは紛れもない事実である。一部門、一事業、あるいは一つの会社レベルにとどまる議論ではなく、世界を鑑みて国家としてどうあるべきかを語れるような、そして実行力を持ったリーダーの登場をこの業界では待ちわびている。