「前十字靭帯(ACL:anterior cruciate ligament)損傷」
という言葉はスポーツをしている方であれば
耳にする機会も多いかと思います。
今回はそんな前十字靭帯のひずみと骨形態の関連性について
紹介したいと思います。
本文も書いていますが
翻訳ではかなりポイントを絞っていますので、
翻訳のみでもこの研究が伝えたいことはつかめると思います。
詳しく知りたい方は本文を読んでみて下さい。
現在ACL再建術後でリハビリを頑張っている方
「加速を伴うトレーニングはいつ導入すべきか?」と困っている方
が読むと有益かと思います。
The Relationship Between Anterior Tibial Acceleration, Tibial Slope, and ACL Strain During a Simulated Jump Landing Task
McLean, Scott G.
JBJS: July 20, 2011 - Volume 93 - Issue 14 -p 1310-
背景:
脛骨の形態(脛骨後傾角)が着地動作時のACLの歪みに関与するかを調べた。
方法:
女性の献体下肢に対し行った。
着地前に誘発される筋活動を模した状態で片脚接地させる作業を5回行わせた。
AM線維に対し129.7± 210.6 Nの衝撃が加わった。
脛骨前傾方向の加速度が着地200msにかけてピークとなった。
結果:
・AM線維のひずみ(3.35% ± 1.71%)は脛骨前方加速度(8.31 ± 2.77 m/s-2)と関与
・脛骨後傾角は脛骨前方加速度とAM線維のひずみと関与
結果:衝撃由来のACLのひずみは脛骨前方加速度によって引き起こされ、さらにこの関係性は脛骨後傾角に依存していると考えられる。
臨床的関連性:
・脛骨前方加速度は着地動作におけるAM線維のひずみに関与する。
・着地(衝撃)によって引き起こされる加速度の大きさは脛骨後傾角に関与している。
【まとめ】
・脛骨前方加速度は着地動作におけるAM線維のひずみに関与する。
・着地(衝撃)によって引き起こされる加速度の大きさは脛骨後傾角に関与している。
上記された「臨床的関連性」に尽きると思います。
脛骨後傾角は多くの方があるとされていますので
Step lungeやJumpのような着地(衝撃)が加わる
加速の付いたトレーニングをした場合
必然的に脛骨前方加速度が働くことになります。
よって
再建靭帯自体の強度が脆弱であったり
再建靭帯と骨孔との癒合されていない
早期に導入することは危険であると考えられます。
この知識で
実際リハビリを頑張っている方は、ご自身の現在のトレーニングメニューはどのように構成されているのか?
を知る機会になるかと思いますし、
Therapist、trainerの方はトレーニング計画をより精密なものにできる可能性があるかと思います。
参考にしてみてはいかがでしょうか?