年末キャリアアップを検討する組織横断的なプロジェクトからインタビューさせて欲しいという依頼が来た。そして3週間ほど前にそのインタビュー結果のレポートが送られてきた。正式に資料として取り扱う前にチェックして欲しいとの事。
昨今システムインテグレーターではほとんどの会社で下流工程を外注化し、その結果として技術力含めてその領域に対する空洞化が起こってしまい、ノウハウが一切蓄積されずに厳しい状況に陥っている。
私はシステムインテグレーターで働いてはいるが、出向等の経験の中で実装含めてシステム開発における全ての領域に携わってきた。当然その経験も含めてインタビューの中では話をしたのだが、果たして今のうちの会社で話の内容を理解してくれる人は何人いるだろうか。
顧客からの元請けであるがために、契約構造上力がある状況にはある風だが、それを自分の力だと勘違いし、ひたすらメーカーに作業を投げ込む。それが仕事だと思い込んでいる風潮を何とかしたいと思って日々頑張ってはいるが、送られてきたレポートをチェックしている中で自分の経験や積み上げてきたものを果たして理解してくれる人がいるのだろうか、という不安に駆られる。
自分が何をすべきか、会社としてどの領域までをしっかり押さえておかなくてはいけないのか、そしてその目的は何か、突き詰めて考えて仕事をするのがプロとしての最低限の役目ではなかろうか。
こんな言葉を書き連ねても、現実はなかなか厳しい。ただ今までほとんどシステム開発らしい仕事をしてこなかった社員でも、うちのプロジェクトに来てメキメキ力をつけてきている若手社員もいる訳で、1つのポイントとしては必要に迫られる状況の中で正しい社員育成ができる上司の元仕事をさせていく事で、研修や自己研鑽だけでは身に付かない実践力を身につけさせる事ができるのだと思うようになってきた。
仕事の力とは研修や自己研鑽と実践の場での経験のバランスが重要だと思っている。たまたま自分は結果としてそのような状況・環境に恵まれて仕事をしてくる事ができた。今回のレポートを見るやる気のある若手にも、そういった環境を作ってあげたいと思う。