通勤手当の課税と非課税とは、そもそも何なのでしょうか?
 
 会社から自動で天引きされる税金について理解していないと
 この課税と非課税もよくわからない話ですよね。
 
 私たちの給与には、所得税と住民税が課税されます。
 
 会社勤めの場合、毎月の給与から、所得税と住民税が天引きされていますよね。
 ※住民税は、新卒者や途中入社の方の場合は、最初の年は会社からの
  天引きはないと思いますが。
 
 この所得税の天引きについては、所得税の源泉徴収制度というものが、所得税法で
 定められており、給料や報酬などの支払いをする者は、その支払いの際に、所得税
 を徴収し、納付しなければならないとされています。
 
 また、住民税の天引きについては、住民税の特別徴収というものが、地方税法で
 定められており、所得税を源泉徴収している事業者(給与支払者)は、従業員の
 個人住民税を特別徴収しなければいけないとされています。
 
 これらは、従業員の方々の納税の便宜を図る目的と、税金を確実に徴収するため
 ですね。
 
 で、やっとここからが本題ですが、
 通勤手当の課税と非課税とは、所得税や住民税が、課税されるのか非課税なのか、
 ということですね。

 ●マイカー・自転車通勤者の通勤手当の課税と非課税
 
 マイカーなどで通勤している人の非課税となる1か月当たりの限度額は、
 片道の通勤距離(通勤経路に沿った長さです。)に応じて、
 次のように定められています。
 
 片道の通勤距離、1か月当たりの限度額
 2キロメートル未満、(全額課税)
 2キロメートル以上10キロメートル未満、4,100円
 10キロメートル以上15キロメートル未満、6,500円
 15キロメートル以上25キロメートル未満、11,300円
 25キロメートル以上35キロメートル未満、16,100円
 35キロメートル以上45キロメートル未満、20,900円
 45キロメートル以上、24,500円
 
 1か月当たりの非課税となる限度額を超えて通勤手当を支給する場合には、
 超える部分の金額が課税されます。

 ●電車・バス通勤者の通勤手当の課税と非課税
 
  電車やバスなどの 交通機関だけを利用している人と交通機関のほかに
 マイカーや自転車なども使っている人の通勤手当などの非課税となる限度額
 については以下のとおりです。
 
 1.電車やバスだけを利用して通勤している場合
 
 この場合の非課税となる限度額は、最も経済的かつ合理的な経路及び方法で
 通勤した場合の通勤定期券などの金額で、10万円が非課税となる限度額となります。
 新幹線鉄道を利用した場合の運賃等の額も「経済的かつ合理的な方法による金額」に
 含まれますが、グリーン料金は含まれません。
 
 2.電車やバスなどのほかにマイカーや自転車なども使って通勤している場合
 
 この場合は、次の(1)と(2)を合計した金額で、10万円が非課税となる限度額となります。
 (1)電車やバスなどの交通機関を利用する場合の1か月間の通勤定期券などの金額
 (2)マイカーや自転車などを使って通勤する片道の距離で決まっている
  1か月当たりの非課税となる限度額
 
 1か月当たりの非課税となる限度額を超えて通勤手当や通勤定期券などを支給する
 場合には、超える部分の金額が課税されます。

 
 ■パートの100万円、103万円の壁に、通勤手当は含まれるのか?
 
 アルバイトやパートで働かれている方の場合、扶養家族の対象から外れないように、
 年間所得を調整していると思います。
 
 「通勤手当は、年間所得に含まれるのか?含まれないのか?」
 大きな問題ですね。
 
 答えは、「通勤手当が課税となった部分については、年間所得に含める!」です。
 マイカー通勤の場合は別として、公共交通機関を利用している場合、月10万円が
 非課税限度額ですので、一般的に10万円以上という高額な交通費を出してくれるところも
 ないでしょうから、交通費は年間所得に含めないと思っていいのではないでしょうか。
 
 ちなみに、社会保険(健康保険・厚生年金)の130万円の壁には、通勤手当は含めます
 のでご注意ください!