毎年、年末が近づくと企業にとっても従業員にとってもやってくる「年末調整」。
従業員にしてみると、お決まりの用紙を書いて提出するだけで、
あとは経理の人がやってくれるので、実はよくわかっていない方もいるのでは?
今回は改めて、年末調整についてご説明したいと思います。
従業員にしてみると、お決まりの用紙を書いて提出するだけで、
あとは経理の人がやってくれるので、実はよくわかっていない方もいるのでは?
今回は改めて、年末調整についてご説明したいと思います。
●そもそも年末調整とは何でしょう?
給与所得者の所得税は、勤務先が毎月の給与やボーナスから源泉徴収(給与から天引き)
して納税しています。しかし、毎月天引きをする所得税額は、年の途中で扶養家族が
増減してもそれ以前の月に遡って修正しません。また、生命保険料や損害保険料などの
控除額は毎月の天引きの際に全く考慮されていません。
従って、毎月天引きされていた所得税額はあくまで”概算”にすぎず、年末に計算を
し直して精算をする必要があります。これを「年末調整」といいます。
その年の最後の給与の支払を受けるときに、過不足額の精算が行われます。
大部分の給与所得者は、年末調整によって1年間の所得税の納税が完了しますので、
確定申告の必要はありません。
して納税しています。しかし、毎月天引きをする所得税額は、年の途中で扶養家族が
増減してもそれ以前の月に遡って修正しません。また、生命保険料や損害保険料などの
控除額は毎月の天引きの際に全く考慮されていません。
従って、毎月天引きされていた所得税額はあくまで”概算”にすぎず、年末に計算を
し直して精算をする必要があります。これを「年末調整」といいます。
その年の最後の給与の支払を受けるときに、過不足額の精算が行われます。
大部分の給与所得者は、年末調整によって1年間の所得税の納税が完了しますので、
確定申告の必要はありません。
・月々の源泉徴収
毎月の給与やボーナスから源泉徴収される所得税額は、「給与所得の源泉徴収税額表」
により求められています。
毎月の給与やボーナスから源泉徴収される所得税額は、「給与所得の源泉徴収税額表」
により求められています。
平成23年1月以降分 源泉徴収税額表(国税庁)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2010/01.htm
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2010/01.htm
●所得控除とは?
所得控除とは、個人的な事情を考慮するための控除項目です。例えば妻や子がいれば
配偶者控除や扶養控除として、生命保険料を支払っていれば生命保険料控除として、
それぞれ所得から控除することができます。所得控除は全部で14種類あります。
毎月の給与ではこの控除分が考慮されていませんので、年末調整して所得税を計算
し直すことになります。
配偶者控除や扶養控除として、生命保険料を支払っていれば生命保険料控除として、
それぞれ所得から控除することができます。所得控除は全部で14種類あります。
毎月の給与ではこの控除分が考慮されていませんので、年末調整して所得税を計算
し直すことになります。
●年末調整で従業員に用意してもらう書類
従業員や役員が、年末調整のためにあらかじめ用意して会社に提出する書類として、
一般的には以下の書類があります。
一般的には以下の書類があります。
・生命保険料、地震保険料の控除証明書
加入している生命保険会社や損害保険会社から、はがきサイズの控除証明書が
各自に郵送されてきます。
加入している生命保険会社や損害保険会社から、はがきサイズの控除証明書が
各自に郵送されてきます。
・国民年金の納付証明書
社会保険に加入していないような会社で、各自で国民年金保険料を納付している
ような場合は、国民年金保険の納付の実績を証明する国民年金納付証明書が、
受給者の手元に届きます。家族の国民年金の負担をしている受給者についても、
年末調整で所得控除ができます。
社会保険に加入していないような会社で、各自で国民年金保険料を納付している
ような場合は、国民年金保険の納付の実績を証明する国民年金納付証明書が、
受給者の手元に届きます。家族の国民年金の負担をしている受給者についても、
年末調整で所得控除ができます。
・国民健康保険の支払額の記入
各自で国民健康保険料の納付がある場合に必要です。ただ、国民年金保険と
異なり、証明書の添付は不要です。
各自で国民健康保険料の納付がある場合に必要です。ただ、国民年金保険と
異なり、証明書の添付は不要です。
・前職退職時までの源泉徴収票
本年中に就職をした従業員・役員といった受給者のうちで、前職での給与の受給が
ある場合に必要となる書類です。
本年中に就職をした従業員・役員といった受給者のうちで、前職での給与の受給が
ある場合に必要となる書類です。
・住宅ローン控除の申告書と年末残高証明書
所得税の住宅借入金等特別控除の適用を受ける受給者から提出を受ける書類です。
所得税の住宅借入金等特別控除の適用を受ける受給者から提出を受ける書類です。
●年末調整の大まかな流れ
(1)すでに従業員から提出されている「給与所得者の扶養控除等申告書(以下
「扶養控除申告書」)」を一旦従業員へ返却をして、年末調整時点での状況と
合っているかどうか内容の再確認と修正をしてもらいます。
「扶養控除申告書」)」を一旦従業員へ返却をして、年末調整時点での状況と
合っているかどうか内容の再確認と修正をしてもらいます。
(2)11月を過ぎて各税務署から郵送される年末調整用紙を従業員へ配布します。
このときに確認事項が漏れないようにチェックリストを作成し、各申告書と共に
従業員へ配布すると良いでしょう。
このときに確認事項が漏れないようにチェックリストを作成し、各申告書と共に
従業員へ配布すると良いでしょう。
(3)1年間に支払った給料賞与の額を合計します。このときその年の途中で入社した
人については前職分の源泉徴収票を受理し、加算しましょう。
人については前職分の源泉徴収票を受理し、加算しましょう。
(4)その後、給与所得控除後の給与の額を求めます。給与所得控除後の給与の額は
税務署から配布される「年末調整のしかた」に記載してある「年末調整のための
給与所得控除後の給与等の金額」で求めます。
税務署から配布される「年末調整のしかた」に記載してある「年末調整のための
給与所得控除後の給与等の金額」で求めます。
(5)各資料から所得控除の金額を計算し、給与所得控除後の給与の額から差し引きます。
※所得控除は全部で14種類ですが、年末調整で控除できるのは11種類です。
年末調整で控除できない3種類(医療費控除、雑損控除、寄付金控除)について
控除をしたい場合には、別途、ご自分で確定申告をする必要があります。
年末調整で控除できない3種類(医療費控除、雑損控除、寄付金控除)について
控除をしたい場合には、別途、ご自分で確定申告をする必要があります。
(6)この所得控除を差し引いた金額に、「年末調整のしかた」にある「所得税の税率」
を当てはめて所得税額を計算します。
を当てはめて所得税額を計算します。
(7)年末調整で住宅借入金等特別控除を行う場合はこの税額から控除額を差し引きます。
(8)こうして計算した金額が、その人が一年間に納めるべき所得税額となります。
(9)最後に、一年間給与から天引きした所得税の合計額が、先に計算をした所得税額より
多い場合はその差額を還付します。逆に先に計算をした所得税額より少ない場合には
その差額の税額を徴収します。
多い場合はその差額を還付します。逆に先に計算をした所得税額より少ない場合には
その差額の税額を徴収します。
以上が年末調整の流れとなります。
●給与所得者の確定申告
給与所得者でも、確定申告をしなければならない場合や、確定申告をすると所得税が
還付される場合があります。
還付される場合があります。
・確定申告をしなければならない方
給与所得者でも、次のような方は確定申告をしなければなりません。
給与所得者でも、次のような方は確定申告をしなければなりません。
(1)給与の収入金額が2,000万円を超える方
(2)給与所得や退職所得以外の所得金額(収入金額から必要経費を控除した後の金額)
の合計額が20万円を超える方
(3)給与を2か所以上からもらっている方
(2)給与所得や退職所得以外の所得金額(収入金額から必要経費を控除した後の金額)
の合計額が20万円を超える方
(3)給与を2か所以上からもらっている方
・確定申告をすると所得税が還付される場合
確定申告をする義務のない方でも、次のような場合は、確定申告をすると
源泉徴収された所得税が還付されることがあります。
確定申告をする義務のない方でも、次のような場合は、確定申告をすると
源泉徴収された所得税が還付されることがあります。
(1)マイホームを住宅ローンなどで取得した場合
(2)多額の医療費を支払った場合
(3)災害や盗難にあった場合
(4)年の中途で退職し、再就職していない場合
(5)給与所得者の特定支出控除の特例の適用を受ける場合
(2)多額の医療費を支払った場合
(3)災害や盗難にあった場合
(4)年の中途で退職し、再就職していない場合
(5)給与所得者の特定支出控除の特例の適用を受ける場合