附小では第1回実力テストも終わり、成績も出ました。結果はいかがでしたか? 今年も暑い日が続いていますが、良かった人はこの調子をくずさないように、今一つだった人は第2回で挽回できるように、がんばってください。

 

 さて、下の写真はご存じ沖ノ鳥島。護岸工事を行っている部分です。

日本の最南端「沖ノ鳥島」を管理するのは横浜市鶴見区内にある役所だっ ...

今年の第1回実力テストでは、こんな感じの写真(同じではありません)を資料にして、

このようにして島を守ると、排他的経済水域が広がります。そのことによって、どのような利点がありますか。

と問う問題がありました。沖ノ鳥島は2016年にも出題されていますが、その時は、

この島は、波で島の周りがけずられないようにコンクリートで囲まれています。その理由を答えなさい。

というもの。 

 これ、小学生には書くのが結構難しい問題です。いや、中学生でも変な解答になることが少なくありません。「領土」・「領海」・「排他的経済水域」という言葉を使って、

波で島が削られて無くなってしまうと、日本の領土がそれだけ小さくなる。そして、領土の周囲の領海や、領海に続く排他的経済水域も失ってしまうから。

ぐらいの解答が書かれておれば良いはずですが、領土・領海・排他的経済水域の関係があやふやだったりすると、おかしな文になってしまうんです。今年は排他的経済水域が広がる(別に護岸工事で広がるわけではないのですが、ここは問題文に即しておきます)ことの利点に限定しているので、2016年度の問題より易しそうですが、いざその「利益」について書こうとすれば、工夫が要ります。大人向けの解答なら、

水産・鉱物資源に対して日本の主権が及ぶ海域が広がる。

ぐらいで良いのですが、「主権が及ぶ」なんていう表現は小学生には使えません。ここのところは、授業で排他的経済水域について教える際にも苦労するところです。そこで小学生向きには、「水産資源や鉱物資源を開発できる範囲」ぐらいの表現をつかって、主語を「日本が」とか「日本人が」とかにして、

日本人が水産資源や鉱物資源を開発できる範囲が広がる。

ぐらいの文が正解、ということになるはず。忘れがちなのが、魚などの海洋資源だけではなく、海底の原油などの鉱物資源にも沿岸国の主権が及ぶこと。学校では漁業のところで取り上げることが多いからか、「魚が取れる範囲が広がる」というような解答を書く子が結構います。もちろん、減点されます。

 これはほんの一例ですが、実力テストでは毎回記述問題が10問以上あります。配点も短答問題よりも大きいので、しっかり得点したいところ。教科書に太字で書かれていたり、資料集に用語解説があるような言葉は、その意味をしっかり理解するだけではなく、意味を自分で書いて説明できるかどうか、練習しておく必要がありますね。