新学期が始まったかと思ったら、中3生はもう第1回実力テストと中間テストが終わりました。中間テストも採点が済んで、答案も皆返却されたことと思います。戦績はどうでした?

 さて、第1回実力テストですが、今回は業者のテストでしたので、成績表には、全国順位や偏差値、学習領域別の診断など、いろいろとデータが載っています。ぜひ活用していただきたいものです。

 データの中でも、偏差値は結構気にする人がいるのではないでしょうか? 「連絡進学にはどれぐらい必要なの?」とか、不安な方もあるはず。連絡進学には、もちろん成績も必要ですが、提出物や授業参加など、いわゆる「平常点」のウェイトも大きいので、一概に「偏差値は~以上が目安」とは言えません。ですが、これまでの進学実績から、「これぐらいないと、この後、学力的に厳しくなりそう」な一応の目安は挙げられます。「60」です。

 五ツ木書房、育伸社、大阪進研…、業者のテストもいろいろあって、偏差値も業者やその時の受験者数などで変動しますが、こういった業者の模擬テストを受験した際に、連絡進学できた生徒と、できなかった生徒の分かれ目になるのが、例年だとだいたい偏差値60なんです。もちろん、60未満で連絡進学できた生徒もありますし、これ以上でもできなかった生徒もあります。でも、足りないで連絡進学できた生徒はあまり多くありません。今後連絡進学の推薦がもらえるかどうかの結論が出るまでに、中3生には、定期テストが1学期期末、2学期中間、2学期期末、の3回、それと、実力テストが第2回、第3回の2回ありますが、2学期以降は、『近畿の高校入試』の発展問題がテスト範囲になりますので、テストの問題も格段に難しくなります。特に、実力テストは範囲も広く、準備も大変です。偏差値で60ぐらいの生徒でないと、ついていくのは結構厳しくて、力つきて脱落、という生徒も少なくないのです。

 さらに、連絡進学しなかった場合にも、偏差値60というのは、結構使える目安になります。連絡進学しなかった場合、どの高校を受験したいですか? 

 受験する模擬テストによって、少しずつ前後しますが、受験の目安として発表されている偏差値は、たとえば大阪の公立高校なら、こんな感じです。旧第1学区の高校を挙げます。

 北野高校   74

 豊中高校   69

 春日丘高校 67

 池田高校   64

 箕面高校   62

あくまで目安として。受験することになった場合、大阪の公立なら、「池田高校ぐらいは受験したい」と言われることが多いのですが、偏差値60に足りない生徒だと、池田高校受験はかなり厳しいのです。

 併願する私学で、連絡進学しなかった生徒たちが比較的よく受験する学校を挙げるとこんなところです。

 関西大倉高校    特進S 70/特進 66/総合 61

 雲雀丘学園高校   66

 追手門学院高校   特選SS  66/Ⅰ類 62/Ⅱ類 56

 履正社高校      集約文理S類 64/集約文理Ⅰ類 62

 箕面自由学園高校 スーパー特進 61/特別進学Ⅰ 57

偏差値60以上、というのが、大学進学を考慮した場合、附中生が行きたいと思える高校・コースの目安になるのではないでしょうか。

 偏差値60といえば、1000人中なら158人。上位16%ほど。公立の40人学級なら、クラスで6~7人の中に入るわけで、かなり優秀です。優秀な人たちの中での競争になりますから、油断していると挽回するのが大変です。連絡進学を第一に考えている附中生は、受験生とくらべてエンジンのかかりが遅いのですが、ここのところいろいろとなまっている人は、早く準備を始めてくださいね。