ストリクチフローラノヴァ、今のところ元気です

こんにちは、タニKです！

【ストリクチフローラは難しいけれど、美しい】

実生クラブのライブ配信でも注目を集めた、ストリクチフローラノヴァ。
その魅力に惹かれ、私も育てているお気に入りの品種です。葉の質感や、サーベルのような鋭い葉先、そしてハイシーズンの白く気品溢れる葉姿にくっきりと縁取る赤黒いエッジ。実生や交配の親株としてもとても興味深い存在です。

しかしこの品種、実はかなりの気難し屋。

とくに夏の暑さにはとことん弱く、交配などで体力を消耗すると、その後一気に調子を崩すことも多々あります。私の過去の経験でも、夏の交配後に回復できず枯れてしまったことが何度もあります。なので、毎年この時期はヒヤヒヤしながら見守っています。

【今年は交配チャレンジ、今のところは順調】

そんなわけで、昨年はあえて交配には使わず、大事に大事に温存していたストリクチフローラの成熟株。今年はしっかりと充電期間を設けた上で、満を持して交配に挑戦しました。
結果、立派な花芽が上がってきてくれて、今年はやっと使えるぞ！とわくわくした気持ちになりました。

交配に使った直後は、やはり少し疲れたような表情をしています。葉のハリがやや落ち着いてきてやっぱり体力を削ってるなと感じる瞬間が何度もありました。

それでも、今のところは持ちこたえてくれています。もちろん油断はできませんが、このまま無事に夏を乗り越えてくれれば、秋にはまた美しい姿を見せてくれるはずです。

【育てるうえでの難しさと工夫】

ストリクチフローラの育成でとにかく悩ましいのが、「水やり」の加減です。葉が薄く、一見するとすぐに乾いてしまいそうに見えるため、ついつい頻繁に水を与えたくなります。

しかし、ここが落とし穴。夏場はとくに、水の吸い上げが極端に悪くなるタイミングがあります。これは根が一時的に機能を落としてしまうためで、水を与えても吸わない→用土が湿ったまま→根腐れ、という最悪の連鎖に繋がってしまうのです。

だからこそ、タイミングの見極めが非常に重要。

実際には、葉の張りだけで判断せず、根元の乾き具合や風通し、温度、湿度など、すべての要素を複合的に見て判断する必要があります。

そして、もうひとつ重要なのが「土」。今年はこの土のブレンドも少し見直しました。粒度を細かく調整し、水持ちと通気性のバランスを改善。保水力と排水性の絶妙なバランスをとることで、根の環境をより快適に整えることを目指しました。

【秋に向けて、今からの準備がすべて】

ストリクチフローラは秋になると、またぐっと美しさが増します。夏を越えた株が見せてくれる美しい紅葉。その姿を思い浮かべるだけで、今の手間も苦労もすべて報われるような気がします。

今年調整したブレンド土がどれだけ効いてくれるか。これも秋の楽しみのひとつです。

毎年、「今年こそは！」という想いで向き合っていますが、植物は思い通りにはいきません。それでも、少しずつ経験を重ねることで、ようやくその子に合った育て方が見えてくる。そんな時間が、私は大好きです。

【ストリクチフローラの可能性を信じて】

この夏、ストリクチフローラノヴァがどんな表情を見せてくれるか。まだまだ予断を許しませんが、交配に使った株の元気な姿を見て、少しだけ安心しています。

今後も、しっかりと管理しながら、秋にはさらに美しい姿を見せてくれるように。
そして、もしその中から次世代につながるような、魅力的な交配種が生まれてくれたなら。
そんな小さな奇跡を信じて、今日もまたそっと水をあげようと思います。