「子育てブログ」の中の「若年ママ育児」というジャンルのブログを読む機会に恵まれた。
《可愛い娘と毎日をのほほん過ごせることが本当に幸せ》《子供が元気ないことほど、心が痛いことはありません》《ハタチになって一週間後、待望の娘を出産。だんだんおおきくなるおなか、私はひとりじゃないんだと、思わせてくれた小さな命。わが子に対面した時は、言葉にならないほど嬉しかった》《来年は、もう一人家族が増えてお花見だなあ》《○○子が無事に生まれて隣にいて、そしておなかの中には赤ちゃん。幸せに思う。これってわたしも母親として少しは成長できたんだろうか》《ただ、無事に生まれてきてくれたら、それでいいよ》
23歳の若いママが書いたブログからの抜粋だが、どれもこれも、わが子へのあふれる愛情を綴っていて、微笑ましい。
所が、こんなママが居るかと思う反面、7月30日には大阪からとんでもないニュースの第一報が届く。
マンションの一室から異臭がするとの通報で、警察官が踏み込んで見ると、3歳くらいの女児と1歳くらいの男児が、腐乱状態の遺体で発見され、翌31日にはこれらの子の23歳の母親で風俗店従業員が死体遺棄容疑で逮捕された。
その後の取調べで、この若い母親は「ホストクラブで遊ぶのが楽しくて育児が面倒になった。もっと遊びたくて家を出た」と話しているという。同容疑者が外出している間、子供たちが部屋を出ないように居住部分と玄関に続く廊下を仕切るドアの縁にガムテープが張られていた。つまり育児放棄で二人の子供を殺してしまったわけだ。
哀れを誘うのは、3月以降は、昼夜問わず泣き声が聞こえるようになり、時にはインターホン越しに長時間にわたり、「ママー、ママー」と母親を探す叫び声が部屋の中から響いていたという。近隣の住人が、児童相談所に何度も通報しているにもかかわらず、法のカベの前にこの部屋に強制立ち入り出来なかったという。
ひどい母親だ、鬼母だ、悪魔だ、人間じゃない、どういう育てられ方をしたんだ、子供の世話をしないで、ホスト狂いするなんて信じられない、ありとあらゆる罵詈雑言が、この子育てを放棄して死に至らしめた若い母親に投げつけられても当然だろう。
が、しかし、読者の皆様に知って欲しいのは、冒頭述べた、しあわせそうな様子の23歳の母親が書いたブログは、今回逮捕された23歳の母親が2年前に書いたものなのである。つまりは、幸せそうな母親も、2児をネグレクトで殺してつかまった母親も同一人物であるということなのだ。
筆者にとって、子供二人がネグレクトで殺されたというニュースもショックだが、悪いやつが、悪いことをするんだとステレオタイプで捉えていた常識が覆されたことの方もショックが大きい。
2年前にはあんなにしあわせオーラに包まれて、ブログにまで書いていた好人物が、いまあんなに幸せを感じさせてくれた二人の実子殺しで、牢獄につながれている。これはコイツだからそうなったのか、それともこんなことは絶対自分はしないよと固く信じて疑わない、アナタも私も、状況しだいではそうなってしまう可能性はあるのか・・・
人間の心の深淵は暗くて深い。
子殺し列島ニッポン2010
完
Author 田中幹章(C)initially written on 3rd Aug.,2010.Imitation of this essay prohibited.
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