障碍者というにはあまりにもささいな。 | 舞姫の「世界が面白いじゃんね」

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詩人ですが、アニメも、映画も、岡田斗司夫も、絵画も、建物も、怪談も好きなヲタクのブツブツブログ。

数年前から手の痺れを感じて

とうとう昨年になって

親指・人差し指・中指の麻痺がひどくなってしまったのだが、

実は外から見て、まったく正常の指と変わらない。

 

最初はお医者さんにまで

「本当に動かないんですか?詐病じゃないですよね?」と

疑われる始末ムキー

 


さすがに腹が立ったが、実際筋電図をつけたら

神経伝達はしているのに

筋肉が非常に鈍い反応しか示さないことが分かった。

 

だから動かないって言ったじゃんドクロ

 

さらに拷問ゲッソリと名高いらしい針筋電図でも同じ結果であった

(ちなみに針筋電図とは、針を筋肉にさして電気を流し反応を見る検査。

少しずつ針を抜き差しして何か所も計測する。

麻酔も使えず、長い時間かかる検査ゆえに拷問なのだろう)。

 

そして

脳も頸椎も何ともないし、手根管症候群とも違うとのことで

とにかくリハビリしながら痺れと付き合っていくしかないわけで。

 


とはいえ、日常生活は難しいことがいっぱいある。

 

書字がほんの少ししかできない 

キーボードも1時間以上やると痛みがひどい

マウスはドラッグが非常に難しいし、痺れを即時強化させる

個包装のギザギザのところから切ることができない

(切れても力加減がおかしくて中身をよく撒いてしまう)

接触感覚もないので小銭はつまめない(ペイペイがあってよかった)

逆に熱刺激は強く感じるので軽く湯気に当たるだけで叫んでしまう

重いマグカップは持てない

ATMの画面タッチがうまく反応しない(上手にポンと触れてないようだ)

紙の枚数を数えるのが困難だし、

紙のふちを触ると非常に痛い

ペットボトルのキャップはあけられない(専用のオープナーを買った)

握力が10キロ以上落ちたので今までと同じような荷物は持てない

 

だいたいこんな感じなのだが

なんというか、ひしひしと感じるのが

ご高齢の方がレジでもたもたするのが

心からわかるようになった。小銭が出せない!

ATMでもなんだか時間がかかってるのもわかる。

手が動かないって不便だ!!

 

しかし、まったく外からはわからないのだ。

 

えーん「私、指が動かなくてぇ~~~」

 


と、大きな声で叫ぶわけにもいかず

Suicaのチャージとかお札が取り出せなくて

後ろに列ができているのが心苦しい。

いや、しょうがないのだが、焦る滝汗滝汗

 

とはいえ、これはまだ軽いほうの麻痺状態なのだろうなとは思う。

 

そのことで思い出したのが

幼い頃の私の友人の弟のことだ。

 

見た目は全然普通の子と変わらなかったのだが

彼は重度の自閉症であった。

「おはよう」といわれても、返すことも反応することもなく

「何、あの子」と言われていることがあった。

いちいち親も「うちの子は」と説明して回るわけにもいかず

とても苦労されていたショボーン

彼は歩いているだけでモデルにもスカウトされるほどの

容姿端麗な美青年に育ったのだが、相変わらず意思疎通は難しく

親御さんは将来についていろいろ案じていたことが思い出される。

 

外から見てはっきりわからない不自由さ

というのは程度の差はあれど、

誤解を生みやすく、生活しづらい側面を

持っている。

 

もちろん見た目ではっきりわかる不自由さを

持っている方もとても苦労されているのは

よくわかる。

 

しかし、外から見てよくわからない不自由さ

(例えば精神疾患や内臓疾患もそれにあたる場合が

あるだろう)も理解されない特有の苦しさがある。

 

この前

「不適切にもほどがある」というドラマでも

語られていたが

「寛容さ」

ここら辺が多くの人が楽に生きていくためのヒントに

なるのだろうと思う。