日本の「港湾取扱貨物量ランキング(2019)」によると、1位は名古屋港で総貨物量は1億9500万トンである。2位千葉、3位横浜と続き6位神戸、7位東京、8位大坂である。四日市港は14位で、総貨物量は6000万トンとなっている。
 四日市港は、幕末から明治初期にかけては伊勢湾内において最大の商業港であった。当初の貿易は、食料品・肥料の輸入が中心であったが、次第に綿花や繊維原料となり、戦後は羊毛や石油が主となった。石油化学コンビナートの立地により、現在は典型的な工業港へと発展している。

いなばポートラインマップ

 四日市港の、近代港湾への基礎を築いたのは稲葉三右衛門である。コンクリートもない時代の港湾造成は、想像以上の難工事であったという。稲葉は、私財を投げ打って工事を進め、幾多の困難を乗り越えて完成に漕ぎ着けた。明治32年に開港場として指定された。(2013年6月・7月の四日市旧港参照)
 4年前(2018年)に、「臨港道路霞4号幹線」が開通した。伊勢湾岸道路「みえ川越インターチェンジ」から「四日市港ポートビル」に至る約4kmの自動車道で、海岸沿いや水面の上を走る高架道路である。愛称は「四日市・いなばポートライン」という。開港の功労者・稲葉三右衛門を記念した名称である。