熊本城は、築城の名手といわれる加藤清正が慶長6年(1601)に着工し、7年かけて完成したものである。城郭の広さは約100ha、その中に天守3、櫓49、城門29を擁する豪壮で堅固な構えである。また、石垣の曲線、漆喰の白と黒い板塀のコントラストなど、美しい城である。
 戦国から江戸時代にかけての城郭であるが、明治になってもう一度歴史の舞台に登場してくる。明治10年(1877)に不平士族が西郷隆盛を盟主に起こした西南戦争である。熊本城に籠城した明治政府軍を西郷軍が攻め立てたが、武者返しが功を奏して侵入を許さなかったという。

熊本G1

 5年前(平成28年)の今日(4月14日)発生した大地震により、甚大な被害を受けた。毎日、テレビで報道される被害の状況を見て、大きな驚きを感じていた。石垣の隅石だけ残り、天守閣の建物が辛うじて倒壊をまぬがれているのである。実はこの写真は、私の娘が地震の3日前に旅行した時のものである。

熊本G2

 熊本のもう一つの名所「水前寺成趣園」(水前寺公園ともいう)は、細川家の初代藩主が寛永13年(1636)ころから造営した庭園である。池を中心とした回遊式で、東海道五十三次を模した景色を点在させている。観光用ポスターでも、富士山を中心としたこのアングルが使用されている。