今日 (平成28年3月26日)、三重県の名松線が全線復旧した。平成21年10月8日の台風18号により大被害を受けて以来、家城駅から伊勢奥津駅までの6区間がストップし、バスによる代行運転が行なわれていたのである。過去に何度も廃線の危機があったが、その都度、苦難を乗り越えて存続を続けてきた。地元では、「名松線を元気にする会」 を組織して、再び廃線論が起きないように、来訪者増を図るなどの地域活性化運動を展開している。
 名松線は昭和4年 (1929) 年に開通した、雲出川の渓流沿に走るローカル線である。当初は名張から松阪までを結ぶ予定だったので、両方の頭文字をとって 「名松線」 と名付けられた。全線で約45km、起終点を含めて15の駅がある。

名松線マップ

 私の出身校・三重大学は、興津のさらに奥にある美杉の山に、林業実習用の演習林を持っている。昨年の夏、懐かしい演習林を数十年ぶりに訪れるクラス会が開催された。その途中で、開通の日を迎えるために改築された、新しい駅舎を見ることができた。
 線路の終点近くに、朽ち果てた (失礼!) 構造物を見つけた。これは、昭和40年に気動車化される以前、蒸気機関車が走っていた時代の遺物で、機関車に水を供給するための水槽である。右の写真で、煙に半分隠れているが、この水槽らしいものが写っている。

名松線B