景観は引き算だと思う。“美しい何か” を付け加えるよりも “余分な物” を取り払うことにより美しい景色になる場合が多い。電線の地中化・共同溝の整備は街の美観を高める上で、非常に効果がある。右の写真は、まだ地中化の行なわれていない街路、左は共同溝の完成した町並みである。電柱や電線が無くなりすっきりした街は、空までが美しく見える。

見付の共同溝A

 旧東海道は、磐田駅あたりから北へ向かうが、見付宿に至ると 「姫街道」 と分岐して東の方向へ折れ曲がる。旧見付宿には脇本陣跡や常夜灯、高札場跡や道標といった歴史を物語る記念物も残っているが、商店や銀行といった新しい施設も整っていて活気がある。この街路の電線を地中化し、共同溝ができたのは、平成25年のことである。
 古い街並みで歴史的建造物が多く残っているところでは、伝統的建造物群保存地区として守っていく方法もあるが、古い建物が失われている地区では、この見付宿のような新しい景観づくりを進める方法もあると思う。共同溝整備の設計は、当社・中部復建 ㈱が行なった。下の写真は、変圧機・マンホール・町の案内板である。

見付の共同溝マップ