自分は、社会人アメリカンフットボール1部リーグの某チームのスタッフもしていて、ラグビー人気を横目で見ながら「ワールドカップ前には無かったスポーツニュースのレギュラーになってる!羨ましい」と、日々感じることがある。アメフトには何が足りない?

 

アメリカンフットボールは、JリーグやBリーグと同じ、日本トップリーグ機構所属するリーグだが、日本のアメフト(チーム)には何が足りないのだろうか? 日本ではアメフトの人気はそれほどではありませんから、ここで日本のアメフトについて提言してもあまり日本のアメフト関係者にはリーチしないのはわかりますが、もっと各チームとして出来ることと、自分達の環境を知る必要はあります。

 

スポーツ科学やスポーツ医療というジャンルがあるように、メンタルな面も含めて最新の科学的な成果を取り入れた指導法がある一方、日本の文化、伝統に根ざした、或いは歴史的な背景からくる、武芸の形、身体表現、精神性を重んじる伝統など、師範から指導を受ける際にはどんなに理不尽でも従ってしまう…   また、各チームの勝利至上主義のスポコンに根ざした考えがまだ色濃く残っている事も否定はしません。指導者と選手、選手間同士の人間的な関係、つながりの深い部分は解らないでもないが、もしかしたら、体育会系を嫌って避けてきた自分の中にも、そうした体質を容認するメンタリティがあったり、知らず知らずのうちに構築されてしまったりしているかもしれないなと。しかし、スポーツビジネスの改革に役立てるという意味で言えば、日本に欠けている「知的合理性」「スポンサーシップ」「意識改革」を必要としているように思います。

 

勝ち負け以前に、社会人アメフトチームで足りないのは、「コンテンツマーケティング」と「お金」。コンテンツマーケティングとは、チームのコンテンツを利用したマーケティングのことですから、「ユーザーの興味を引くような、ある程度まとまった量の情報」で「チケットが売れる仕組み作り」をすることと言い換えることができます。つまり、コンテンツマーケティングとは価値のあるコンテンツでターゲットユーザーをWebサイトへ呼び込みファン化し、問い合わせやチケット購入などの行動へとつなげるマーケティング施策のことです。次に「お金」とはチーム運営資金の事でです。全てのチームではないが、有益なコンテンツがない為、チームを紹介(証明)するアイデンティティが少なく、コンテンツが貧弱でスポンサー獲得のための「ご案内」にもならない。

 

ここでいう「価値のあるコンテンツ」とは、「ユーザーが知りたい情報を分かりやすくまとめたコンテンツ」のことを指します。コンテンツマーケティングを成功させるためには、「ユーザーやスポンサーが知りたい情報」つまり「ユーザーやスポンサーが抱えている悩みを解決する情報」をWebサイトへ継続的に掲載していくことが必要です。「ユーザーやスポンサーが知りたい情報」をWebサイトへ蓄積することによって、ユーザーやスポンサーの役に立つ、信頼性の高いサイト=チーム」になります。

 

Web サイトは、どちらかと言えば受け身のツールです。コンテンツを整理された形で保管しておくことで、変わらずに伝えたい内容を発信することに向いています。 これは SNS とは違った「ストック型」のコンテンツ発信となります。

 

SNSの Facebook・Twitter・Instagramは積極的に個々のユーザーとのつながりを生み、プッシュ通知機能によって直接働きかけることができますが、 新しい投稿はどんどん上に積み重なり、過去の投稿は流れるように下へと沈んでいくため、まさに「今」を発信することに向いています。 

 

あらゆる場所でインターネットに接続でき、手元を見れば当たり前のようにスマ―トフォンがある現代においては、多くの場面で「欲しい情報を、欲しい時に、 より手軽にキャッチできる」ことが求められるようになってきたことも事実です。便利で手軽なものは買い手にとってもウケますし、それは売り手にとっても効率的で 有効に情報発信できる手段となることもあります。そう考えると、ファンとチーム、売い手と買り手を結びつける Web サイトの活用は、もはや無視できません。

 

米国NCAA(大学)のDivision 2にも実力で劣る日本の社会人アメフトチームが、年間数億円をかけるNFL並みのコンテンツマーケティングを行う必要は全くないが、各チームが、せめてJリーグやBリーグ並みのコンテンツマーケティングは提供したいものだ。