★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆
今は修復され金色に輝く光堂にお参りし、もののあはれ、人生の悲哀、諸行無常などを感じ取った櫻井翔。
そこから生まれた一句を詠みます。
★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆
金色の平和の願い手を合わせ
金色の平和の願い手を合わせ
あのー、金色に輝くお堂は圧巻でしたけれどもー、執事さんがおっしゃったように、ま、わぁすごーいってなる前に手を合わせることをちょっと…忘れてしまいますよね。
それは一番大事なところだなって思いました。
あの金色の金色堂そのものが、極楽浄土であり、それを作ることによって争いのない平和な世の中を願ったというお話を聞いて、
…ああ、平和の想いの詰まったお堂なんだな、
争いの中に生まれた…人は、より強く平和を願うことができるんだなぁ…
と思った瞬間でしたね…。
★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆
平泉を後にした芭蕉と曾良は、奥羽山脈を越え出羽の国を目指します。
その旅路は災難続きでした。
途中の関所で不審人物扱いをされ、世話になる宿は枕許で馬の小便の音が…。
*この時代、寒い北国の農家では母屋を仕切って馬を飼い、馬と家族は同じ屋根の下にいた。
山賊が出るという山を冷や汗かきかき越え、やっと落ち着いたのが尾花沢という町でした。
そこで芭蕉は風流な商人のもてなしを受けます。
山形名産の紅花を扱って羽振りの良い地元の豪商、名を清風(せいふう)。
その清風に「せっかくですから、遠回りになるけれど是非行ってみてください」と薦められ、向かった先は立石(りゅうしゃく)寺。
現在はりっしゃく寺という名前の山寺です。
この山寺で生まれたのが有名なあの句です。
★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆
山形領に立石(りゅうしゃく)寺といふ山寺あり。慈覚大師の開基にして、殊に清閑の地なり。一見すべきより、人々の勧むるによりて、尾花沢よりとつて返し、その間七里ばかりなり。日いまだ暮れず。麓の坊に宿借り置きて、山上の堂に登る。岩に巌(いはほ)を重ねて山とし、松栢(しょうはく)年旧り、土石老いて苔滑らかに、岩上の院々扉を閉ぢて物の音聞こえず。岸を巡り、岩を這ひて、仏閣を拝し、佳景寂寞(かけいじゃくまく)として心澄みゆくのみおぼゆ。
閑かさや岩にしみ入る蝉の声
閑かさや岩にしみ入る蝉の声
山形領内には、立石(りゅうしゃく)寺という山寺があるという。
行った…。見た…。
そして驚いた!
それはもう、ごつごつした岩に岩を重ねて山となし、松や檜の大木が鬱蒼と茂り合い、石も土も苔むしている。
岩の上を這いずり転びそうになりながら、山の麓から遠く離れたお寺の本堂にたどり着けば、周りの景色はしーんと静寂に包まれ、どこまでもどこまでも、心が澄み渡っていくのを感じるのだった。
閑かさや岩にしみ入る蝉の声
閑かさや岩にしみ入る蝉の声
えー、山形県山形市にある立石寺の登山口にやってきました。
この立石寺は標高およそ380mある岩山に、様々なお堂がある寺院なんですね。
…上まで上がった景色は、どうなんでしょうかー。
(山を登る足音・息遣い)
狭いなぁ…。
はぁはぁ…。ふははっ。
これはすごい!
ふはっ。ふう…。はぁはぁ…。
あー、ここは、展望台というか…
もう絶景だなぁ…!
いやぁ…。これは綺麗だなぁ。
あー。気持ちいい…!風が吹いて。
ちょっと…。遠くから蝉の声が、若…干、聞こえるかなぁ。
辺りを一望できる…。
自分が見てる目の前は…まさに、現世が広がってるけど…。
真横見るとお堂とお寺が建ち並んでる景色が…。
うーん。
匂うなぁ。
何て言うんだろ?神聖さを醸し出してる気がしますね。
……。
うーん。本当に僕、今回ここ来て、想像以上でした。
あのー、何か見たことのない景色と、んー、見たことのない…不思議なアンバランスさ…が、詰まっていて…
うーん、まさに絶景という感じでしたね。
…まあ、ただあそこの雰囲気、空気、景色を、五・七・五…その、短い言葉に綺麗に収める、芭蕉という人の凄さを、また改めて、実感する、場所でもありました。
というわけで。
僭越ながら…ちょっと(笑)、たたきで書いてみたんでー、詠ましていただきます。(←照れてます)
えー。
遠くから秋の入口蝉ひとり
遠くから秋の入口蝉ひとり
はあっ。
何か、上に登ってみると…
登山口の入口の下の方から蝉の声が一匹だけ聞こえてきたのが、何かこう…秋の入口を感じさせる蝉の別れの声のようにも聞こえたので、こんな風に詠んでみました。
没ネタが二つありまして…。
えー、
『秋の風芭蕉と同じ景色かな』
これ、没第1ですね。
『時を経て変わらぬ景色ここにあり』
…っ。
えー、いずれも何か、
あのーーっ。ホーム降りた時に書いてありそうな言葉だったので没にさせていただきました(笑)。
ふはははは(笑)。
というところで、有名な蝉が登場したので、
ここで、お次は…
クイズショウ!
音(おん)で読み解く松尾芭蕉~!!←エコー
嵐のラップ詞担当、櫻井翔です。
えー、芭蕉の俳句をいくつか口ずさんでいてー、ふと、思いつきました。
芭蕉の俳句をローマ字で書き起こしてみると、どうだろう…?
しづかさや いわにしみいる せみのこえ
ん?
ラジオじゃわかんない?
えー、ではみなさん!
えー、お手元に書くものがあったら、ちょっと書いてみてください。
いいですか?
SHI-ZU-KA-SA-YA I-WA-NI-SHI-MI-I-RU SE-MI-NO-KO-E
SHI-ZU-KA-SA-YA I-WA-NI-SHI-MI-I-RU SE-MI-NO-KO-E
どうですか?
おわかりになりましたか?
SHI、I、NI、SHI、MI、I、MI…
何と、Iの音が7つも使われていますね。
し、い、に、し、み、い、み…ね?
これって何か、まるで蝉の鳴き声のようなリズムですよね?
い、い、い、い、い、い、い…
そうです、これはニィニィゼミです。
しゃわしゃわしゃわしゃわしゃわ…と鳴く、アブラゼミでもなければ、カナカナカナカナカナカナっと鳴く、ヒグラシでもない。
まさにこれは、ニィニィゼミの鳴き声です。
長年、岩にしみいるこの蝉は何ゼミなんだ?ということが論争されてきました。
アブラゼミ派とニィニィゼミ派が熾烈な戦いをしたそうです。
ニィニィだ!いやっアブラだ!ニィニィだ!
もう、その激しさは、蝉の鳴き声よりも凄まじく…と思うと。
いやぁ…そうじゃないでしょ!カナカナカナカナカナカナ…ヒグラシこそふさわしいでしょう?
なんて主張する派もいたり。
でも、現代では、閑かさやの蝉はニィニィゼミである!という結論に落ち着いてるようです。
リスナーのみなさんは、どう思いますか?
で、次です。
これもみなさんローマ字で書いてください。
NA-TSU-KU-SA-YA TSU-WA-MO-NO-DO-MO-GA YU-ME-NO-A-TO
NA-TSU-KU-SA-YA TSU-WA-MO-NO-DO-MO-GA YU-ME-NO-A-TO
MO、NO、DO、MO、NO、TO。
MO、NO、DO、MO、NO、TO。
…Oの音が6つも出て来ますね。
『お』の音は悲しみの音…言葉の意味とは別に、音が人に訴える音です。
果たして芭蕉先生、このことを知っていてやったのか…それとも知らないでいてやったのか…。
無論、元禄時代の芭蕉が、ローマ字を知るわけもありません。
天才は言葉の力、その効果について、知っていたのでしょうか…。
うん。知っていたんですね。きっと。
僕、櫻井翔も、こんな言葉の力、マジックを、もっと学んで、もっとうまく使いこなしたいと思うのです。
★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆
山寺への寄り道を済ませた芭蕉と曾良は、再び元の旅へと戻ります。
山の旅の次は川の旅。
最上川を舟で下ります。
★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆
(川下り・水の音、女性の船頭さんとの会話)
船:…手拍子なんですけれど、ただこれだけだとちょっと味気ないので、ちょっとこう…揉んでいただけるとね。
(手拍子の音)
翔:ふーん。
船:唄いやすいんです。
翔:こうですか?
(手拍子の音)
船:そうです。ぐっと押してもらえると。はい。
翔:最上川舟唄…
船:はい。
翔:お願いします。
船:じゃ、お届けします。最上川舟唄…
(手拍子に合わせて船頭さんが朗々と唄います)
よーえ さの まっがしょ えんや こらまーがせ ええや えーえや えーえ えーえや えーど よーえ さの まっがしょ えんやこらまーがせー
酒田(さがた)さ行ぐさげ達者(まめ)でろちゃ
よいとこらさのせー
流行風邪(はやりかぜ)などひかねよに
ええや えーえや えーえ えーえや えーど よーえ さの まっがしょ えんやこらまーがせー
股大根(まっかんだいご)の 塩汁煮(しょっしるに) 塩(しんよ)しょぱくてくらわんにぇちゃ
えーえやーえーえ えーえやえーど よーえ さの まっがしょ えんやこらまーがせ
*この最上川舟唄は昭和に入ってから、伝承を元に作られたものだそうです。ラジオでは聞き取りにくい部分もあったので、歌詞を調べて引用しました。
船:…最上川舟唄、お届けしました。
翔:うわぁー。ありがとうございまーす。…手拍子が一回ブレイクするのが、いいですねぇ。
船:そうですか?ブレイクですか(笑)。
翔:一度止んで、また鳴りだす感じがすごい…いやぁ格好良かったです。
船:あぁ、すごい面白い民謡でね。
翔:何を唄ってるんですか?
船:最初、そうなんです、これは…船頭さんが家族に向けて『俺は酒田の港に行ってくるから、みんな風邪なんかひかないように、元気でいるんだぞー」と。
翔:へぇーっ。
船:で、後半の方は船頭さんの生活ぶりを唄ってまして…
翔:はー。
船:まっかんだいごというのは、売り物にならない大根のことです。
翔:ふーん。
船:二股にも三股にも分かれた、いわゆるくず大根ですよね。
翔:うーん。
船:それを舟の中で、小さな小屋の中で、自分たち男だけで塩汁煮作ったんだけど、そのー、男ばっかりの舟旅なもんですから、なかなか作り慣れてなくて。
翔:うん。
船:塩加減が、あのー、ひとつまみ、ひとつまみ入れてたのが、最後にはもう、ひとつかみも面倒くさくなって入れてしまって、もうしょっぱくてこれは耐えられねえ…という大変素朴な…
翔:へぇ。
船:船頭さんの生活ぶりを唄ってるんです。
翔:ふーん。
最上川は陸奥より出でて、山形を水上(みなかみ)とす。碁点(ごてん)・隼などいふ恐ろしき難所あり。板敷山の北を流れて、果ては酒田の海に入る。左右山覆ひ、茂みの中に船を下す。これに稲積みたるをや、稲船といふならし。白糸の滝は青葉の隙々(ひまひま)に落ちて、仙人堂、岸に臨みて立つ。水みなぎって舟危ふし。
五月雨を集めて早し最上川
五月雨を集めて早し最上川
(川下り、水の音)
船:俳句は季語を入れるとか、それから五・七・五とか様々な決まりがありますけども、芭蕉さんが大切になさったことというのは、挨拶という意味合いで…
翔:うん。
船:その新しい土地に対して『はじめまして』『こんにちは』という感謝の気持ちで、歌を詠むということが一番大事なんだと思います。はい。
翔:ふーん。…っていうのは、感謝…でも旅してないと、強く感じることはできないんでしょうね…。
(舟を漕ぐ音、水の音)
最上川は言わずと知れた日本三大急流のひとつ。
米沢の山奥から流れ出た川の流れは、200kmあまりを旅し、酒田で海に流れ込みます。
江戸時代には、大切な交通手段のひとつとして、紅花や米を積んだ舟が、ここを行き交っていました。
4に続く
今は修復され金色に輝く光堂にお参りし、もののあはれ、人生の悲哀、諸行無常などを感じ取った櫻井翔。
そこから生まれた一句を詠みます。
★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆
金色の平和の願い手を合わせ
金色の平和の願い手を合わせ
あのー、金色に輝くお堂は圧巻でしたけれどもー、執事さんがおっしゃったように、ま、わぁすごーいってなる前に手を合わせることをちょっと…忘れてしまいますよね。
それは一番大事なところだなって思いました。
あの金色の金色堂そのものが、極楽浄土であり、それを作ることによって争いのない平和な世の中を願ったというお話を聞いて、
…ああ、平和の想いの詰まったお堂なんだな、
争いの中に生まれた…人は、より強く平和を願うことができるんだなぁ…
と思った瞬間でしたね…。
★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆
平泉を後にした芭蕉と曾良は、奥羽山脈を越え出羽の国を目指します。
その旅路は災難続きでした。
途中の関所で不審人物扱いをされ、世話になる宿は枕許で馬の小便の音が…。
*この時代、寒い北国の農家では母屋を仕切って馬を飼い、馬と家族は同じ屋根の下にいた。
山賊が出るという山を冷や汗かきかき越え、やっと落ち着いたのが尾花沢という町でした。
そこで芭蕉は風流な商人のもてなしを受けます。
山形名産の紅花を扱って羽振りの良い地元の豪商、名を清風(せいふう)。
その清風に「せっかくですから、遠回りになるけれど是非行ってみてください」と薦められ、向かった先は立石(りゅうしゃく)寺。
現在はりっしゃく寺という名前の山寺です。
この山寺で生まれたのが有名なあの句です。
★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆
山形領に立石(りゅうしゃく)寺といふ山寺あり。慈覚大師の開基にして、殊に清閑の地なり。一見すべきより、人々の勧むるによりて、尾花沢よりとつて返し、その間七里ばかりなり。日いまだ暮れず。麓の坊に宿借り置きて、山上の堂に登る。岩に巌(いはほ)を重ねて山とし、松栢(しょうはく)年旧り、土石老いて苔滑らかに、岩上の院々扉を閉ぢて物の音聞こえず。岸を巡り、岩を這ひて、仏閣を拝し、佳景寂寞(かけいじゃくまく)として心澄みゆくのみおぼゆ。
閑かさや岩にしみ入る蝉の声
閑かさや岩にしみ入る蝉の声
山形領内には、立石(りゅうしゃく)寺という山寺があるという。
行った…。見た…。
そして驚いた!
それはもう、ごつごつした岩に岩を重ねて山となし、松や檜の大木が鬱蒼と茂り合い、石も土も苔むしている。
岩の上を這いずり転びそうになりながら、山の麓から遠く離れたお寺の本堂にたどり着けば、周りの景色はしーんと静寂に包まれ、どこまでもどこまでも、心が澄み渡っていくのを感じるのだった。
閑かさや岩にしみ入る蝉の声
閑かさや岩にしみ入る蝉の声
えー、山形県山形市にある立石寺の登山口にやってきました。
この立石寺は標高およそ380mある岩山に、様々なお堂がある寺院なんですね。
…上まで上がった景色は、どうなんでしょうかー。
(山を登る足音・息遣い)
狭いなぁ…。
はぁはぁ…。ふははっ。
これはすごい!
ふはっ。ふう…。はぁはぁ…。
あー、ここは、展望台というか…
もう絶景だなぁ…!
いやぁ…。これは綺麗だなぁ。
あー。気持ちいい…!風が吹いて。
ちょっと…。遠くから蝉の声が、若…干、聞こえるかなぁ。
辺りを一望できる…。
自分が見てる目の前は…まさに、現世が広がってるけど…。
真横見るとお堂とお寺が建ち並んでる景色が…。
うーん。
匂うなぁ。
何て言うんだろ?神聖さを醸し出してる気がしますね。
……。
うーん。本当に僕、今回ここ来て、想像以上でした。
あのー、何か見たことのない景色と、んー、見たことのない…不思議なアンバランスさ…が、詰まっていて…
うーん、まさに絶景という感じでしたね。
…まあ、ただあそこの雰囲気、空気、景色を、五・七・五…その、短い言葉に綺麗に収める、芭蕉という人の凄さを、また改めて、実感する、場所でもありました。
というわけで。
僭越ながら…ちょっと(笑)、たたきで書いてみたんでー、詠ましていただきます。(←照れてます)
えー。
遠くから秋の入口蝉ひとり
遠くから秋の入口蝉ひとり
はあっ。
何か、上に登ってみると…
登山口の入口の下の方から蝉の声が一匹だけ聞こえてきたのが、何かこう…秋の入口を感じさせる蝉の別れの声のようにも聞こえたので、こんな風に詠んでみました。
没ネタが二つありまして…。
えー、
『秋の風芭蕉と同じ景色かな』
これ、没第1ですね。
『時を経て変わらぬ景色ここにあり』
…っ。
えー、いずれも何か、
あのーーっ。ホーム降りた時に書いてありそうな言葉だったので没にさせていただきました(笑)。
ふはははは(笑)。
というところで、有名な蝉が登場したので、
ここで、お次は…
クイズショウ!
音(おん)で読み解く松尾芭蕉~!!←エコー
嵐のラップ詞担当、櫻井翔です。
えー、芭蕉の俳句をいくつか口ずさんでいてー、ふと、思いつきました。
芭蕉の俳句をローマ字で書き起こしてみると、どうだろう…?
しづかさや いわにしみいる せみのこえ
ん?
ラジオじゃわかんない?
えー、ではみなさん!
えー、お手元に書くものがあったら、ちょっと書いてみてください。
いいですか?
SHI-ZU-KA-SA-YA I-WA-NI-SHI-MI-I-RU SE-MI-NO-KO-E
SHI-ZU-KA-SA-YA I-WA-NI-SHI-MI-I-RU SE-MI-NO-KO-E
どうですか?
おわかりになりましたか?
SHI、I、NI、SHI、MI、I、MI…
何と、Iの音が7つも使われていますね。
し、い、に、し、み、い、み…ね?
これって何か、まるで蝉の鳴き声のようなリズムですよね?
い、い、い、い、い、い、い…
そうです、これはニィニィゼミです。
しゃわしゃわしゃわしゃわしゃわ…と鳴く、アブラゼミでもなければ、カナカナカナカナカナカナっと鳴く、ヒグラシでもない。
まさにこれは、ニィニィゼミの鳴き声です。
長年、岩にしみいるこの蝉は何ゼミなんだ?ということが論争されてきました。
アブラゼミ派とニィニィゼミ派が熾烈な戦いをしたそうです。
ニィニィだ!いやっアブラだ!ニィニィだ!
もう、その激しさは、蝉の鳴き声よりも凄まじく…と思うと。
いやぁ…そうじゃないでしょ!カナカナカナカナカナカナ…ヒグラシこそふさわしいでしょう?
なんて主張する派もいたり。
でも、現代では、閑かさやの蝉はニィニィゼミである!という結論に落ち着いてるようです。
リスナーのみなさんは、どう思いますか?
で、次です。
これもみなさんローマ字で書いてください。
NA-TSU-KU-SA-YA TSU-WA-MO-NO-DO-MO-GA YU-ME-NO-A-TO
NA-TSU-KU-SA-YA TSU-WA-MO-NO-DO-MO-GA YU-ME-NO-A-TO
MO、NO、DO、MO、NO、TO。
MO、NO、DO、MO、NO、TO。
…Oの音が6つも出て来ますね。
『お』の音は悲しみの音…言葉の意味とは別に、音が人に訴える音です。
果たして芭蕉先生、このことを知っていてやったのか…それとも知らないでいてやったのか…。
無論、元禄時代の芭蕉が、ローマ字を知るわけもありません。
天才は言葉の力、その効果について、知っていたのでしょうか…。
うん。知っていたんですね。きっと。
僕、櫻井翔も、こんな言葉の力、マジックを、もっと学んで、もっとうまく使いこなしたいと思うのです。
★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆
山寺への寄り道を済ませた芭蕉と曾良は、再び元の旅へと戻ります。
山の旅の次は川の旅。
最上川を舟で下ります。
★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆
(川下り・水の音、女性の船頭さんとの会話)
船:…手拍子なんですけれど、ただこれだけだとちょっと味気ないので、ちょっとこう…揉んでいただけるとね。
(手拍子の音)
翔:ふーん。
船:唄いやすいんです。
翔:こうですか?
(手拍子の音)
船:そうです。ぐっと押してもらえると。はい。
翔:最上川舟唄…
船:はい。
翔:お願いします。
船:じゃ、お届けします。最上川舟唄…
(手拍子に合わせて船頭さんが朗々と唄います)
よーえ さの まっがしょ えんや こらまーがせ ええや えーえや えーえ えーえや えーど よーえ さの まっがしょ えんやこらまーがせー
酒田(さがた)さ行ぐさげ達者(まめ)でろちゃ
よいとこらさのせー
流行風邪(はやりかぜ)などひかねよに
ええや えーえや えーえ えーえや えーど よーえ さの まっがしょ えんやこらまーがせー
股大根(まっかんだいご)の 塩汁煮(しょっしるに) 塩(しんよ)しょぱくてくらわんにぇちゃ
えーえやーえーえ えーえやえーど よーえ さの まっがしょ えんやこらまーがせ
*この最上川舟唄は昭和に入ってから、伝承を元に作られたものだそうです。ラジオでは聞き取りにくい部分もあったので、歌詞を調べて引用しました。
船:…最上川舟唄、お届けしました。
翔:うわぁー。ありがとうございまーす。…手拍子が一回ブレイクするのが、いいですねぇ。
船:そうですか?ブレイクですか(笑)。
翔:一度止んで、また鳴りだす感じがすごい…いやぁ格好良かったです。
船:あぁ、すごい面白い民謡でね。
翔:何を唄ってるんですか?
船:最初、そうなんです、これは…船頭さんが家族に向けて『俺は酒田の港に行ってくるから、みんな風邪なんかひかないように、元気でいるんだぞー」と。
翔:へぇーっ。
船:で、後半の方は船頭さんの生活ぶりを唄ってまして…
翔:はー。
船:まっかんだいごというのは、売り物にならない大根のことです。
翔:ふーん。
船:二股にも三股にも分かれた、いわゆるくず大根ですよね。
翔:うーん。
船:それを舟の中で、小さな小屋の中で、自分たち男だけで塩汁煮作ったんだけど、そのー、男ばっかりの舟旅なもんですから、なかなか作り慣れてなくて。
翔:うん。
船:塩加減が、あのー、ひとつまみ、ひとつまみ入れてたのが、最後にはもう、ひとつかみも面倒くさくなって入れてしまって、もうしょっぱくてこれは耐えられねえ…という大変素朴な…
翔:へぇ。
船:船頭さんの生活ぶりを唄ってるんです。
翔:ふーん。
最上川は陸奥より出でて、山形を水上(みなかみ)とす。碁点(ごてん)・隼などいふ恐ろしき難所あり。板敷山の北を流れて、果ては酒田の海に入る。左右山覆ひ、茂みの中に船を下す。これに稲積みたるをや、稲船といふならし。白糸の滝は青葉の隙々(ひまひま)に落ちて、仙人堂、岸に臨みて立つ。水みなぎって舟危ふし。
五月雨を集めて早し最上川
五月雨を集めて早し最上川
(川下り、水の音)
船:俳句は季語を入れるとか、それから五・七・五とか様々な決まりがありますけども、芭蕉さんが大切になさったことというのは、挨拶という意味合いで…
翔:うん。
船:その新しい土地に対して『はじめまして』『こんにちは』という感謝の気持ちで、歌を詠むということが一番大事なんだと思います。はい。
翔:ふーん。…っていうのは、感謝…でも旅してないと、強く感じることはできないんでしょうね…。
(舟を漕ぐ音、水の音)
最上川は言わずと知れた日本三大急流のひとつ。
米沢の山奥から流れ出た川の流れは、200kmあまりを旅し、酒田で海に流れ込みます。
江戸時代には、大切な交通手段のひとつとして、紅花や米を積んだ舟が、ここを行き交っていました。
4に続く