☆対談に繋がる前の部分をレポします。


―ナビ―
櫻井翔が赴いたのは、JR三鷹駅近くにある電車の車庫や、何本もの線路を跨(また)ぐ橋…跨線橋です。
昭和4年に作られてから、今年でちょうど80年。
ほぼ当時のまま残っているこの場所で、彼は何を感じたのでしょうか。

☆この跨線橋は、太宰がよく弟子などを連れて訪れていた場所だそうです。


〈ざわめき…そして足音〉
ああ…。
今、陸橋の上まで上って来ましたが…
あ、まさに、電車庫…様々な電車が、ここで停まっている様子が、この橋の上から見えますが。
どうなんでしょう?この橋の上から、太宰の言う武蔵野の夕陽…は見えたのでしょうか。
〈電車の音〉
ぐつぐつ煮えたぎるような、とも…書いていた、その太宰の…見た景色というのは、ここから臨める場所なんですね。
これが、夕陽の見える夕暮れ時になると、静かな景色の中に、電車のガタンゴトン…て音が響いて…
少し、こう…さみしさを感じるような、場所だったのかもしれないですね。
〈電車の音〉
…この音ですよね。
☆じっと、電車のガタンゴトンという音を聞いています。
何ですかねぇ…?
今はこう『電車』ですけども。
この…走ってくるのが、当時のその鉄道だった時に、また見る景色と音から、得る印象というのは、だいぶ違うんでしょうね…。
特に、青森その田舎…のことが、フラッシュバックするような瞬間だったのかなーと、ちょっと解釈したくなってしまいますけども。
じっ、実際のところは違うのかもしれません。
〈電車の音〉
まあ電話も…なくね、電報が唯一のこう通信手段だった時に…
もしかしたら、この線路が、故郷をつなぐ唯一の、手立てだったのかもしれないですね…。


ART OF WORDS~櫻井翔の『人間失格』

今回は、今年生誕100周年を迎えた太宰治の代表作『人間失格』をもとに、そこから感じる言葉の力を探っています。

跨線橋へ行った様子をお聞きいただきましたが、
「どんな作品を書けば、もっと売れるのか…」
きっと、そんなことも考えていたでしょう。

では、太宰の作品は、彼のどんな人間性から生まれたものなのでしょうか。
番組の冒頭で猪瀬直樹さんがおっしゃっていた…
太宰には、開き直りのような部分が常にあって、自分は弱い人間だからしょうがないと思っているところがある。
そこが逆に、強さの秘密
えー、この点に関して、猪瀬さんの著書『ピカレスク‐太宰治伝』で、このようなことが書かれています。

原稿を書くために熱海に向かった太宰治。
彼はそこでお金を使い果たしてしまい、弟分の作家・壇一雄に、こう頼みます。
「東京でお金を集めて来るから、その間、自分が泊まっている旅館に居てくれないか」

ふっ(笑)。これは、言わば人質のようなものですよね。
走れメロスを地で行く展開です。
でも、メロスとは違い、実際には、こういう状況でした。

待っていた壇一雄ですが、太宰が一向に戻らず、困り果ててしまい、彼の許東京へ向かいます。
すると、何と、太宰はお金を集めていないばかりか、作家・井伏鱒二と将棋を指していたのです。

☆対談③へ繋がります。