日本最高峰の恐竜展示の博物館と言えば、恐竜マニアにはお馴染みの
福井県立恐竜博物館でしょう。
館内には44体以上の恐竜の全身骨格標本が常設展示されています。
この福井恐竜博物館のマウント展示総数は世界でもトップクラスで、同じく世界三大恐竜博物館(何故そう呼ばれてるのかは知りませんけど)カナダの王立ティレルや中国の自貢をも上回ります。
(と言っても向こうは恐竜化石の大産出地国なので、実物標本数が多いですが)


福井恐竜博物館の看板標本といえば
地元勝山で発掘された福井ファブスター(フクイサウルス、フクイラプトル、フクイティタン、コシサウルス)
特にフクイヴェナトル・パラドクサス(FPDM-V8461)は、全身の約70%が完全という保存率で、これは北海道のカムイサウルスに次いで
日本の恐竜化石標本としては2番目に良好な全身骨格標本です。



そして全身の約90%が実物というワイオミング州産出のカマラサウルスの標本でしょうか
(大型の竜脚類で全身の9割が残っているというのは、もうそれだけで世界レベルの標本です)




他にも最近やっと正しい復元と表記に変えられたメデューサケラトプス・ロキイの通称レオナ標本
プロサウロロフス・ブラックフィーテンシスの通称カレン標本
ヒパクロサウルス・ステビンゲリの通称ナディーン標本
エウオプロケファルス・トゥートゥスの通称ペギー標本
全身の約70%が完全で、しかも頭骨も残っていた稀少なアロサウルスの標本
といった
フクイヴェナトルも含めれば、11体もの実物全身骨格化石標本が常設展示されています。
つまりレプリカ、実物共に日本最大数の恐竜の骨格標本展示を誇ります。


レプリカ標本もティラノサウルスのスタンとブラックビューティー(ダイノラボにて展示)に
世界最優良のタルボサウルス標本のMPC-D 107/2
(ウランバートルより実物標本を取り寄せて福井博物館で複製したそうです)
マメンチサウルス・ホーチュアネンシスのマウントはM・シノカナドルムの頭蓋標本を使ったキャストレプリカ標本
(他の世界の多くの博物館のマメンチサウルスのマウントの頭部はアーティファクトで組まれています。これは中国が海外に売却していたレプリカ標本がそうだからなのですが、福井博物館はスタッフが渡中したおりに、直接自分達で型取りをして標本を複製しました)
等ハイグレードのレプリカ標本が揃っています。
勿論地元で産出された部分化石標本のカツヤマリュウやツチクラリュウ等も展示されています。



しかし福井恐竜コレクションはこれだけに留まらず
バックヤードには常設展示と同等数の骨格標本が所蔵されています。
例えば、トリケラトプスのケルシーにアクロサルトサウルスのフランやブラキロフォサウルスのレオナルドといった
一流標本のキャストレプリカが普段は倉庫で眠っています。
これら福井コレクションは、毎年何処かの恐竜展に幾つかレンタルされています。
(特にトリケラトプスのケルシーはよくレンタルされていますね)



世界の一流の博物館というのは、展示スペースよりラボラトリーやバックヤードが充実しています。
博物館をアミューズメントパークだと思っている人が多いですが
博物館というものの本懐は、研究施設であり研究標本の保存施設です。
本来は研究施設のオマケで展示スペースが作られているのです。

がどうも世間にはその事が分かっていない人達が多いようで
例えば、長崎恐竜博物館の建設を税金のムダ使いとネットで叩いていた人達は
何であんなアクセスの悪いところに造るんだ?バカじゃないのか?
と書き込んでましたが、
化石が産出する場所の近くに古生物博物館を造るのは当然です。
自然史博物館はアミューズメント娯楽施設ではありません。
学術研究の為の公的施設なのです。



本当はいつものようにマウント標本(福井恐竜博物館所蔵の)について書くつもりでしたが
前置きの博物館の説明だけで長くなってしまったので
標本については、また次回に