なんかネットニュースで、全国の恐竜展示のお勧め博物館ベスト12とかいう記事を見たのですが、個人的に不満なラインナップだったので、独自に作成してみました。


全国に在る、お子さんも大人の恐竜ファンも大満足すること請け合いの博物館をリストアップしてみました。
たまたまこのブログを読んだ方の参考にでもなれば幸いです。

先ず福井県立恐竜博物館と東京の国立科学博物館は鉄板でしょう。
もはや説明の必要すら無いと思われます。

というわけで、その他のお勧め博物館について挙げていきます。

福岡県北九州いのちのたび博物館


満足度の高い自然史博物館として福井や科博と並ぶと称される博物館です。
広い館内には古生代、中生代、新生代の古生物の展示が充実しており
恐竜の展示では先ず目を引くのがディプロドクス・ハーロルムの巨大な骨格標本
これは旧セイスモサウルス(現在無効名)と呼ばれていた竜脚類の標本で
国内に展示されている恐竜の全身骨格としては最大の標本です。
オリジナル化石標本の見付かっている部分が30%程度なので、殆どがアーティファクトの模型ですが、迫力は満点です。
次に看板標本と言えるのが、ティラノサウルスの最も完全な全身骨格化石スー標本のレプリカ
私の知る限り、アメリカ本国(フィールド自然史博物館のオリジナルとディズニーのレプリカ以外に常設展示は無い)以外では、レプリカですらお目にかかれる事は出来ません。(アメリカでも企画展でのキャストレプリカ展示がネットニュースになるくらいの稀少な標本)
他にも人気のギガノトサウルスの骨格マウントは国内唯一の常設展示。
メジャーなトリケラトプスにデイノニクスにステゴサウルスのキャストレプリカ。
全身の半分程ですが、コリトサウルスのウォールマウントの実物化石標本など
館内には大小15種16体もの全身骨格標本が展示されています。
エンパイアパノラマジオラマや恐竜ロボット劇場など、流石恐竜の展示では全国ベスト3に選ばれる自然史博物館という規模の展示です。



熊本県御船町恐竜博物館


その名のとおり恐竜展示に特化した博物館です。
あまり大きな博物館ではありませんが、館内のメインホールには
百鬼夜行の如く19体もの骨格キャストレプリカマウントが、凄まじい密度で常設展示されています。
看板標本はロッキー博物館所蔵のトリケラトプスのヨシズトライク標本のキャストレプリカ(国内では此処にしか無い)に、人気のティラノサウルスはワンケル標本のキャストレプリカ。
他にもパキケファロサウルスにアパトサウルス(共に科博所蔵標本のレプリカらしい)
プラテオサウルス、スコミムス、ステノニコサウルス(旧トロオドンの標本)等々
非常に見応えがあります。
勿論地元の御船層群で発掘されたミフネリュウ等の実物化石標本も多く展示されています。



長崎市恐竜博物館


国内では一番新しい自然史博物館で、此方も恐竜の展示に特化した博物館です。
看板展示はティラノサウルスのトリックス標本(ライデンナチュラリスバイオダイバーシティセンター所蔵)のキャストレプリカ。
他にも館内にはヴェロキラプトル、ディロン、ピナコサウルス等
大小13体程の全身骨格キャストレプリカ標本に、地元の三ツ瀬層で発掘されたティラノサウルス科の歯の化石等の実物化石標本が展示されています。
勿論古生代や新生代の古生物の展示も色々有ります。



愛知県豊橋市自然史博物館


豊橋市のんほいパーク内にある自然史博物館で、パーク内には恐竜オブジェが多数配置された公園や動物園などもあり

広い館内には古生代、中生代、新生代の古生物の展示が充実しており
恐竜の展示も中部東海地区では最も充実しています。
看板展示標本は全身の90%以上が実物化石で組まれた
エドモントサウルス・アネクテンスの全身骨格マウント標本。
他にもエドモントサウルスのミイラ標本(アメリカ自然史博物館所蔵のAMNH5060通称マミィのキャストレプリカ)に
ティラノサウルスのワンケル標本の一番レプリカ
国内唯一のユアンモサウルスの常設展示
トリケラトプスAMNH5116のキャストレプリカ
ミクロラプトルやカウディプテリクス等
大小15種16体もの全身骨格標本が展示されています。
また恐竜ではありませんが、翼竜ランフォリンクスの実物化石が、レプリカと並べて展示されています。
館内にはダイノシアターというミニ映画館もあります。



静岡県東海大学自然史博物館


通称恐竜のはくぶつかん。
その通称とおり恐竜の展示が充実した自然史博物館です。
館内のモダンなメインホールにはディプロドクス、コンプソグナトゥス、タンボサウルス、ステゴサウルス等

大小9体の全身骨格レプリカ標本が展示されています。


また恐竜ではありませんが、翼竜プテロダクティルスの実物全身化石標本が展示されています。
近くには東海大学海洋科学館も在ります。


岐阜県博物館


総合博物館ながら自然史コーナーが充実しており
館内には8種9体の全身骨格キャストレプリカ標本
アロサウルス、ステゴサウルス、イグアノドン等のメジャー恐竜に
ヒプシロフォドンやテスケロサウルスに国内唯一のテチスハドロスの常設展示がされています。
またこの博物館は頭骨の展示も充実しており
ティラノサウルスやトリケラトプスにアンキロサウルス等
全部で7種程の恐竜の頭骨キャストレプリカが展示されています。
勿論地元(福井と同じ手取層群)で発掘されたイグアノドン類の歯の化石等も展示されています。



群馬県神流町恐竜センター


その名のとおり恐竜の展示に特化した博物館です。
館内には小型の標本が多いのですが、大小19体もの恐竜の全身骨格キャストレプリカ標本が常設展示されています。
此所の骨格標本は見付かっていない部分をアーティファクトで補完しない
そのままの状態の玄人好みの展示標本が多いのも特徴的です。
タルボサウルス、アマルガサウルス、プシッタコサウルスや
ハルピミムス、グルジミムス、サイカニアといった
国内の常設展示では此処にしか無い標本も有ります。
また地元瀬林層より発掘されたサンチュウリュウ等の化石標本も展示されています。
他にも恐竜ロボットのライブシアターというのもあります。



群馬県立自然史博物館


贅沢な事に群馬にはもうひとつ恐竜展示が充実した自然史博物館が在るのです。
生物の進化に焦点を当てた古生物の展示がされたこの博物館
看板展示標本は全身の約70%が実物化石で組まれた
カマラサウルス・グランディスの骨格マウント標本。
他にもガラス張りの床下に展示された発掘ジオラマには、トリケラトプスの実物化石が配置されており
その実物化石のキャストレプリカにより組まれた骨格標本も展示されています。(ただ頭骨が発見されなかった標本なので、頭部は別の標本のレプリカ)
また国内では此処にしか無いベルリン(フンボルト大学)自然史博物館所蔵のギラファティタン・ブランカイ(旧ブラキオサウルス・ブランカイ)のオスカル標本のキャストレプリカに
マメンチサウルスやヘユアンニア、ガリミムス等
大小8体の全身骨格標本が展示されています。
でも一番人気の展示はティラノサウルスの動くロボットなのだとか



ミュージアムパーク茨城県自然博物館


同じ関東に在り、ティラノサウルスの動くロボットが人気の自然史博物館です。
エントランスホールには、大きなメタセコイアの木と、大きな竜脚類ヌーロサウルスの展示が、インスタ映えする事受け合いです。
ホールには最近ティラノサウルスの産状標本のレプリカも追加されてるみたいです。
館内にはティラノサウルスのブラックビューティー標本のレプリカマウントに
ランベオサウルス、デイノニクス、エウオプロケファルス等
大小8体の全身骨格標本が展示されています。
また恐竜ではありませんが、魚竜ステノプテリギウスの実物化石標本も展示されています。
動く恐竜ロボットによる館内劇場も博物館一推しの展示となっています。



徳島県立博物館


総合博物館ながら四国で一番恐竜の展示が充実した博物館です。
ティラノサウルスAMNH5027(ニューヨークアメリカ自然史博物館所蔵)のキャストレプリカ骨格標本に
ラプラタ自然史博物館所蔵のネウケンサウルス・アウストラーリスの幼体のキャストレプリカ骨格標本。
マラウィサウルス、エオシノプテリクス、アウロルニス、ヘレラサウルス等
館内には大小11体の全身骨格標本が展示されており
プシッタコサウルスの産状標本は実物化石標本です。
和泉層群が露出する地元勝浦盆地の傍示層や藤川層、そして四国唯一の恐竜化石のボーンベットのある立川層から発掘された
ティタノサウルス類等の部分化石標本等も特設コーナーで展示されています。
あと魚竜ステノプテリギウスの幼体の実物化石標本もあります。
また恐竜とは関係無いのですが、パタゴニアの古哺乳類の標本群がとても充実しており
国内随一と言っても過言ではない古哺乳類コレクションです。



兵庫県丹波竜ちーたんの館


おらが町の小さな博物館ながら、その恐竜の骨格展示数は関西地区随一で
狭い館内には大小11体の骨格キャストレプリカ標本が常設展示されています。
看板展示標本は、唯一のタンバティタニス・アミキティアエのキャストマウント標本。
他にもガストニア、ファルカリウス、ズニケラトプスや
国内の常設展示では此処にしか無いであろう
シノベナトル、ススキティラヌス等の骨格キャストレプリカが展示されています。
勿論地元の笹山層群より発掘されたタンバティタニスの実物化石の一部やティラノサウロイドの歯の化石等が展示されています。
毎年夏には恐竜の企画展が開催されたり
少し離れた所(と言っても徒歩で行ける距離ではないが)には恐竜公園なんかも在ります。



岡山理科大学恐竜学博物館


現在院では無い(大学院なら北大や東大や福岡大等でも学べるのですが)大学の学部では日本で唯一恐竜について学べる大学(再来年には福井大学でも新設されるらしいが)
岡山理科大学内に在る小さな博物館。
しかしながら、その展示は充実しており、大小13種16体の全身骨格レプリカ標本が展示されています。
スペースの都合で小型の標本が殆どですが、
大学の正面ホールにはタルボサウルス(モンゴル科学アカデミー所蔵のMPC-D 107/2)のキャストレプリカ
大学図書館内の分館スペースにはコリトサウルス・カスアリウスの実物全身骨格標本が
ガラスケースに並べて展示されています。
キュレーターの方の話によると、プロトケラトプスの3体のレプリカ標本や幼体の産状ベッドが一押しらしいのですが
タルボサウルスの幼体の標本(MPC-D 107/7のキャストレプリカ)やアロサウルスの亜生体の標本。
ゴビハドロスの標本は顎骨が見やすい様に頭骨をバラけさせて展示されていたり
コビヴェナトルやノミンギアにアヴィミムスといった
国内では此処でしか見られない標本も有り
恐竜マニアなら見所満載の博物館です。



番外
福島県いわき市石炭・化石館ほるる


恐竜の骨格標本の展示は全部で5体と、他の恐竜展示が有る博物館(北海道の穂別や神奈川の地球博や大阪自博とか)と変わらないのですが
一般の人達が恐竜だと思っている海竜の展示が国内最高の博物館なので紹介します。
館内のメインホールには、全身の80%が実物化石で組まれた首長竜のプリオサウルスの骨格標本。
クリプトクリドゥスの産状実物標本にプレシオサウルス、トリナクロメロム、タラッソメドンやフタバサウルス(ピー助)のレプリカマウント
魚竜イクチオサウルス類の実物標本に
モササウルス類の産状実物標本とクリダステスのレプリカマウント
他にも翼竜アンハングエラ、タペヤラ、ランフォリンクスの実物標本
県内で発掘された首長竜の部分化石等が常設展示されています。
恐竜も国内では唯一の常設展示となるアルバートサウルスに
マメンチサウルス、トリケラトプス、パラサウロロフスといった大型標本。
全身の30%程を実物化石で組まれたハドロサウルス類(種不明)の幼体の全身骨格標本と

中生代の絶滅爬虫類マニアにはたまらない博物館です。



いかがだったでしょうか?

今回はあくまでも『恐竜の展示が充実した博物館』であり

建物の規模や動物植物や昆虫等の展示数の多さ、アミューズメントパーク的な楽しみ度合いの高い博物館のベストリストというのでは無いので

その辺は御留意下さい。