相方と過ごす初めての誕生日。
わざわざバイト帰りに
バイト先の超高級ホテルのケーキを持って
寄ってくれた。
晩飯はぐっと手抜きで、レトルトの酢豚と鱶鰭スープ。
去年の34歳の誕生日には、
翌年に、こんなに幸せな日を
迎えられるなんて思ってもいなかった。
多分、これからずっと独りでいなくては
ならないんだと思っていた。
それから一月半後に相方と出会った。
34歳は僕の記念すべき歳になった。
今、相方を大切にできるのも
孤独や空虚を僕なりに噛みしめることが
できたからなんだと思う。
愛するが故の孤独は今でも僕を苦しめる。
だけど、僕は独りじゃない。
僕は君を守るために35年前の今日、
生まれてきた。