大正時代のアンソニー型カメラ⑨ | 四畳半カメラ大系

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17.昔のカメラはちゃんと写る

 

昔の写真と言えばボヤボヤした写真が撮れるというイメージがある。

 

デジカメで言うところの、有体に言えば画質が悪いという表現になるだろう。

 

例:戦後復興期に撮影された警視庁警察官。米軍から給与された事で有名な昭和21年式盛夏服(カーキ色)を着用している。(撮影:祖父)

 

一般家庭のアルバムを見ると祖父母〜両親の写真で上の画像に似た感じのプリント写真が多いと思われる。

 

ところが昔の時代でも大判カメラなど、プロのカメラマン達が良質な手法で撮影した写真、元のネガや乾板は現代でも通じる程に鮮明で綺麗な写真であることは多い。

 

例:1905年〜1940年の間に撮影された8×10の乾板写真。椅子に座った漫画家の前に写真家が跪いている。画像元:米国議会図書館デジタルアーカイブ/2007685835/ppmscd 00017 //hdl.loc.gov/loc.pnp/ppmscd.00017

  •  
  • 上の写真のように明治〜昭和初期の間に撮影された乾板写真でも鮮明に撮れていることが分かる。

例:1915〜1920年の間に撮影された乾板写真(5×7?)。日本人芸妓2名。画像元:米国議会図書館/

  • 2014704872/
  • ggbain 24690 //hdl.loc.gov/loc.pnp/ggbain.24690
つまりアンソニー型カメラで綺麗な写真が撮れることは当然で、大正時代のレンズやカメラでも実力は充分にあることが予想できる。
 
18.最後に
 
今回の撮影結果8枚を下に並べた。それぞれ絞りやシャッタースピードを変更して撮影してあるので是非見比べて頂きたい。

 

No.1

 

No.2

 

No.3

 

No.4

 

No.5

 

No.6

 

No.7

 

No.8

 

今回は実力不足が原因で中判フィルム(6×9)でしか撮れなかった。

 

上手い人が4×5以上のシートフィルムや乾板を使えば更に表現の幅を広く豊かにできたことだろう。現代のカメラとは違った方面でのより優れた芸術写真を撮ることができる。

 

このアンソニー型カメラは埼玉県の写真館(廃業)で実際に活躍していた

 

令和の今、写真館に行かずともスマートフォンやデジタルカメラを使って自分達でそれなりの家族写真は撮ることができる。

 

また何かと昔の機械は価値も使い方も分からず、放置されて消えて行く運命になる代物は多い。

 

 

しかし時には今あるカメラが何故今の姿になったか、それでも写真館が必要とされる理由を知るためにも

 

昔の機材や技術に目を向けて調べて実際に使ってみるのも楽しいではないだろうか。

 

 

 

大正時代のアンソニー型カメラ①〜⑨

記事を読んで頂きありがとうございました。ʅ(^𐃷^)