もう四時……

 

四時を回ろうとしています

 

 

漆黒の夜の帳は、その裾を上げ始め

俺の足元からしらじらと

明けそうです

 

 

イムジャ……

 

 

今晩、俺は

王宮の夜警をしておりました

 

そのような任務

俺の仕事の範疇ではありませぬが

 

 

どうしても眠れず

寝返りをうってばかりで

どう姿形を変えても

しっくりと収まらず

 

俺の腕の間が

ぽっかりと空いているようで

そのままそれは元に戻らぬようで

怖く

恐ろしく

 

哀しく

寂しく

 

また、俺は自分で……

 

 

 

そんな俺自身が嫌でたまらず

 

少し夜風に当たろうと

外に出てみたのです

 

 

あの時

歩いた

 

あの時

そぞろ歩きした

 

二人で

初めて歩いた

 

あの道を

あの…道程を……

 

 

俺の後ろには

イムジャがいて

 

イムジャが

いつものあの

高麗の女人がするはずもない

 

あの奇妙な

軽やかに宙を舞うような

そのような

歩き方をしているのが

 

俺は……

 

分かって

おりました

 

 

嬉しそうに歩いているのを

それを楽しんでいるのを

ただ夜道を歩いているだけの

あの時間を・・・

 

 

 

俺の影の頭の先を

決して外さぬよう

狙いを定め

 

その影を踏みながら

俺の後をうれしそうに

着いてきているのを

 

 

ぴょん

 

ぴょんと

 

飛び跳ねているのを

 

俺は…

 

分かっていたのです

 

 

 

イムジャ…

 

俺の背中

 

好きですか?

 

 

イムジャ……

 

俺のこの背中……

 

頼れるものと

思っていただけますか?

 

 

俺のこの背中に

身も心も任せたいと

 

すべてを投げ出して

すべてをこの背中に

 

賭けてみたいと

 

思っていただけますか

 

俺の背中に

来たいですか

 

 

 

俺のこの背中が

 

イムジャを

 

ここで

 

こうして

 

待っておるのです

 

 

俺のこの背中は

 

イムジャのものなのです

 

イムジャのための

イムじゃだけの

 

もの・・なの・・・です

 

 

イムジャ……

 

あの月が呼んでいます

 

いつになったら

来ていただけるのですか?

 

 

いつになったら

この背中に

その白い胸を

合わせていただけるのですか?

 

俺はこの先

どれほど待てば

よいのだ

 

イムジャ…

 

 

俺は・・もう

 

待てぬ

 

 

待って

待って

 

待って・・・

 

待ちくたびれて

朽ちて

果てそうです

 

 

イムジャ・・・

 

 

イムジャ…

 

 

イムジャ

 

 

 

俺の…イムジャ

 

 

見つめるだけでよいから

もう・・それだけでよいから

 

 

俺の側に

 

いてはくれぬか

 

イム・・ジャ・・・

 

 

イムジャ…

 

 

早く・・・

 

戻って

 

こい・・・・・

 

俺の・・もとへ・・・

 

 

お願い・・・です・・・

 

 

イムジャ………

 

 

イムジャ…

 

俺の姿

だんだん

白く透けてきて

しまいました

 

これ以上待つことが

できるかどうか

 

俺には

その自信が

 

ありま・・・せ・・・ん・・・

 

ないの…

 

です…

 

 

 

 

PS.日曜の夜

久しぶりにこちらでも

ヨンStoryを。

 

内容がちょい私が求めているものとは

違うけど。

 

たまにはいかがでしょう・・。