2016/04/17 18:41Up ver

 

 

真っ赤な閃光を放つチェ・ヨンの瞳

その眼光に縛り付けられた

ウンスの躰と瞳    

 

もはや身動きすることもできず

チェ・ヨンからいく筋も放たれる

眼光に縛り付けられ

その躰 動かしたくても動かせない

 

動かぬ躰を小刻みに震わせながら

チェ・ヨンを見るウンス

自身を疼かせながら見るウンス

躰中を震えが走る 小刻みな震えが

躰中チェ・ヨンの眼光で縛り付けられ

躰の下から上へと駆け巡る痺れ 疼き

止めることなどできない

 

 

 

チェ・ヨンの瞳が その眼光が

ウンスを支配し始める

 

ウンスの瞳も躰もウンスのすべても

その瞳から幾つも放たれる真っ赤な閃光で

がんじがらめにしていく

 

 

 

息が詰まる

 

 

息が止まり…そう…

 

 

 

そう想った時 

 

 

 

チェ・ヨンの硬い尖った舌が

ウンスの唇を激しく割り開け

ウンスの中へ つるんっ と侵入する

 

自身の唇を上下させながら

その両唇を貪るように

ウンスの唇を吸い上げ密着させ

 

 

 

熱風のようなチェ・ヨンの息を吹き込んだ 

 

 

 

ウンスの躰に

 

 

渦巻くような熱風

 

 

 

ウンスの喉 胸 そしてその下へと

勢いよく落ちていき

 

 

ウンスに吹き込まれたその熱風で

ウンスの息は止まらなかったが

 

ウンスの疼きは絶頂に達し

意識が半分飛んだようになるウンス

 

 

まったく力の入らなかった躰

チェ・ヨンの眼光に射すくめられ

動くことなどできなかった躰

ただ震えだけが全身を巡っていた躰

 

 

チェ・ヨンの深く熱く渦巻くような熱風で

ようやく僅かながらに躰に力が蘇り

自分の意思で少しは動かせるようになったが

 

 

今度は躰の内側から

チェ・ヨンの熱風が吹き荒れ始めた

 

そしてその熱風 喉元まで上がってくると

がちがちと歯を鳴し始める

 

 

 

その震えを止めるよう

チェ・ヨンの尖った舌がウンスの歯茎に沿い

右へ左へと這っていく

 

 

歯を鳴らしてしまうほどのその震えを

止めようと…

 

その硬く長い舌が右に左に這う 

 

 

這う

 

 

這う…

 

 

這う………

 

 

 

時にチェ・ヨンの熱風を

ウンスの躰に吹き込みながら

右に左に顔の角度を変えながら

 

その長く硬く尖った舌を

何度も出し入れするチェ・ヨン

 

 

そして

ウンスの唾液を力の限り吸い取り

自分の喉にごくりと落とす

 

 

大きな喉仏が上下しそれを喉で味わうよう

自分の胸へと落としていく

 

 

 

 

そのようにしながらも

ウンスの瞳に眼光を放ち続けるチェ・ヨン

 

 

 

 

 

そらすな

 

 

 

ウンスが瞳をそらそうとすると

太く低い声を投げつけるチェ・ヨン

 

 

 

 

たまらず瞳を閉じようとすると

残忍なほどの声をぶつけるチェ・ヨン

 

 

 

閉じるな

 

 

ずっと見てろ

 

 

 

 

 

荒い息を吐きながらも

ウンスの瞳に閃光眼光をやり続け

その瞳と言葉でウンスを

完全に支配するチェ・ヨン

 

その躰に感じる衝動的感情を

止めることなどできないチェ・ヨン

 

 

 

 

そして

ずっと目を開け

チェ・ヨンを見続けなければならぬ

ウンス

 

 

そんなチェ・ヨンの支配下にあったウンスは

徐々にそのチェ・ヨンの鋭い眼光が

怖いものなどではなく

 

 

心地良いものとなり始め…

 

 

 

もっと

 

 

もっと…

 

 

その閃光を

 

 

私にもっと……

 

 

 

そのように完全にチェ・ヨンの瞳の力に

支配されていた

 

いやむしろ

自分から支配されにいっていた

 

 

大好きな

愛している

私のすべてを捧げたい

 

ヨンが

 

私の夫が…

 

 

 

それを欲しているなら私はなんでもする

 

 

 

 

 

だめだ

 

閉じるなと

 

 

 

何度もそんな言葉を放つヨン

これまで

甘い囁きしか聞いたことがなかったのに

 

今は……冷たく…

 

 

 

 

いえ冷たくなどない…

 

 

私に命令もなどもしてない…

 

 

 

 

ヨンの声…

 

高圧的に聞こえるけれど

 

 

その言葉でその瞳で

簡単に私を支配してしまうけれど

 

そして…私を簡単に……けれど

 

 

その瞳の奥に 

命令されているような言葉の裏に

あの時の切ない想いが見え隠れしてる

 

 

 

私には分かる

 

 

そのヨンの想い

 

 

 

私もまた散々その瞳を影から見つめ

その言葉を追ってきたから

 

ずっと…

 

追い続けきたから……

 

 

ヨンの声 ヨンの瞳

全身全霊で求めていたから

 

 

聞いていたから

 

 

追っていたから

 

 

 

 

 

私…ずっと…そうしてた…

 

 

あなたが…私に…向かって…くるまで…

 

 

 

あなたが…私の…部屋で…

 

 

私の…唇を…奪うまで………

 

 

 

 

 

あなただけが影から見護っていたんじゃない

 

 

私もまたあなたを影から追っていた

 

 

 

 

 

知らないでしょ?

 

そんなこと…

 

私がしてたなんて

 

 

 

 

あの薬草園の木々の間から

 

 

私を見護るしか……それしかなかった

 

ヨンの…

 

あの時の切ない……哀しすぎる瞳……

 

 

 

 

なぜ…

 

なぜ私に…想いをぶつけないの?

 

どうしてぶつかってこないの?

 

 

 

最初はあんなに強引だったのに

 

 

どうして今はそうやって

 

影からしか私を見ないの?

 

 

私…

 

 

あなたの匂い再び思いっきり感じたいのに

 

 

 

 

 

 

なぜ? 

 

 

 

なぜ…

 

 

 

なぜ

 

 

 

なぜなのっ‼︎

 

 

 

 

いつもその想い向かってきそうで

でも途中で必ず諦めてしまい込んで…

 

 

 

またこないのね…

 

 

 

やっぱりこないのね…

 

 

 

 

そう何度想ったことか

 

 

そう何度寂しく想い……

 

 

一人で寝たことか

 

 

 

 

でも……ごめんなさい……私……

 

 

 

そんな辛い想いをいつも癒してくれていた

 

 

チャン先生の胸に飛び込んだりして

 

 

チャン先生の胸に逃げ込んだりして

 

 

 

私…

 

チャン先生に…甘えてた

 

甘え過ぎていた…

 

 

 

 

あなたが私を見ているの知ってたから

 

あなたが来ないなら…

 

 

 

こうすれば…もしかして

 

来てくれるんじゃないかと…

 

 

 

私…卑怯な女…

 

チャン先生にひどいことした

 

知ってたのに…

チャン先生が私のこと…

 

 

 

 

 

ヨンの愛なんて受ける資格など私にはない

そう想った

 

チャン先生に気持ちを落ち着けてもらった後は

 

いつも…

 

そう想ってた…

 

そして…罪悪感を感じてた

 

 

 

 

誰も頼る人などいない高麗にきてしまった私

ヨンに連れてこられた私

 

そして私も少しの意思を持って

この人と今離れたくない

そう想ってヨンに担がれて来たこの高麗

 

 

 

私やっぱり…

 

ヨンに護って欲しかった

 

ヨンと生きたかった

 

 

 

どうしても…

 

 

どうしても‼︎

 

 

どうしてもっ‼︎‼︎

 

 

ヨンと…生きたかった

 

 

 

 

だから今ようやく夫婦になれた今

 

 

 

私…

 

 

 

ヨンにこんな風に愛されようと

ヨンにすごく優しく愛されようと

私がヨンを愛してあげようと

 

 

 

どんな愛でも私はいい

 

 

あなたとの愛であれば

 

 

私は…

 

 

 

 

 

 

 

そのようなウンスの胸に想う記憶

 

 

ウンスに眼光をやり続けていたチェ・ヨンは

 

すべて聞いていた……

 

ウンスの胸の内の言葉など

 

チェ・ヨンにはすべて聞こえていた

 

 

 

 

 

ウンスの気持ちはよく分かったが

 

チェ・ヨンのことをウンスも見ていたと

そう分かった時は

死ぬほど嬉しかったが…

 

 

 

ここで絶対に出てきてはいけない言葉を

 

人の名を

 

 

 

 

ウンスは 例え…心の中であっても

 

チェ・ヨンに実際の言葉として

聞こえなかったとしても

 

その胸に去来させてしまった

 

 

 

 

チャン・ビン……

 

 

 

 

その言葉を聞いた瞬間 

 

 

チェ・ヨン

 

 

 

 

激しいまでの怒りを

どうしてもウンスにぶつけざるを得なかった

 

そして自分にもぶつけざるを得なかった

 

 

 

どうして今

 

 

どうしてこのような場で

 

 

 

あの男の名が出てくるのだ

 

 

 

どうして

 

 

どうしてなのだ!

 

 

 

ウンス…

 

お前…

 

どうして………

 

 

 

そして…俺もまた

 

どうしてあの時…

 

ウンスにこのようなことをさせず

 

俺の胸に飛び込ませなかったのか

 

俺がウンスを抱きしめなかったのか…

 

 

 

 

 

また再び

 

チェ・ヨンとウンスは

 

このような二時間しかない

急ぎの愛の場であるにも関わらず

 

二人の薬草園の木々の呪縛へと

 

その深みへと

 

ずるずると引き込まれようかと

 

していた…

 

 

 

 

 

ウンス…俺たち…

どこへ行こうと…

しているのか…