昨年12月、仕事で沖縄県宜野湾市長にお会いする機会がありました。
いま、注目を浴びる普天間基地は、この宜野湾市のど真ん中に
位置しています。
宜野湾市長という立場では、普天間基地移設については、
名護市の辺野古はベストではないが、基地が街から出て行ってくれるだけでも
ベターではないかと、私たち本土の人間は考えてしまいがちです。
しかしながら、伊波市長はちょっと違った見解を持っています。
市長の見解は、米軍は、「海兵隊の沖縄からの完全撤退を前提としている」
というものです。その根拠は、アメリカの議会資料であったり、移転先のアセス
情報であったりします。
ここで、大事なポイントは、地元はもちろん「県外ないし国外移設」を求めている
のですが、その意向とは別に米軍は、沖縄からの海兵隊を
自主的にグアムに移転させようとしているという点です。
詳しくは日テレNEWS24「小西美穂の代表質問」で、視聴することができます。
http://www.news24.jp/articles/2009/12/11/04149543.html
この番組のことは、基地問題に関心のある人々の間で話題になり、
あの「きっこのブログ」でも取り上げられています。
http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=338790&log=20091219
番組中で市長の示す資料によると、米軍自身が「グアム全面移転」を選択肢に
入れているように読めなくもありません。
では、なぜ、日米間の交渉の俎上に載らないのでしょうか?
普天間基地移設問題は、いろいろと複雑です。
移転合意から13年、その具体的な手順を示したロードマップの合意から3年。
移転が一切進まなかったのには、それなりにの理由があったのでしょう。
13年の間には、米軍側の変化もありました。
特にここで話題になっている「グアムへの全面移転」といオプションは、
ラムズフェルド国防長官の主導で進められた米軍再編が、きっかけだと
思われます。2003年ラムズフェルド氏は、来日した際、普天間基地を視察して、
その危険性に驚き、早急に移転進めるべきと言っています。
その流れが今も生きているのであれば、
伊波市長の主張も十分考えられることだと思います。
ただ、「軍隊」(官僚組織を含めて一般的な組織も)は、
根本的に縮小されるということには、抵抗感を感じるものだと思われます。
だとすると、アメリカが政権交代した今、軍部の巻き返しが起こっているか
どうかが、ひとつのポイントかもしれません。
また、軍隊の在り方としては、
沖縄に使い勝手の良い施設があり、
グアムにも新しい施設を作ってもらい、
実際の部隊は、どちらに、どれだけ配備されているのかは、
よくわからない。というのが戦略的にも一番、よい状態ではないでしょうか?
現在、沖縄に配備されているという海兵隊も表向きの規模に比べて
実際は位置されている規模は少ないと聞きます。
そもそも海兵隊は、基本的には、朝鮮半島や中台国境で紛争が起こった場合、
自国民をいち早く保護、避難させることを第一義的な任務としているといいます。
良し悪しは別としても日本を守ることが主目的ではないということのようです。
また、普天間基地に配備されているヘリは、ヘリだけでどこかへ
出撃できるわけではなく、長崎に配備されている揚陸艦に搭載されて移動する
ということなので、普天間基地に配備されている実戦的な価値があるのかは
疑問ではないでしょうか?
このほか、移転を阻んできた要因は日本政府側にも問題があったといいます。
(それは、地元沖縄、中央政府も含めての利権の問題だそうです)
であれば、せっかく政権交代したのっですから、
ゼロベースで(対米的にきちんと手続きは踏む必要がありますし、
昨年来のメッセージの出し方はtyと問題かなと思いますが)
考え直すというのは「あり」ではないかと思います。
このような状況下では、
とかく「日米関係の危機」などといいたがる人もいるようです。
12月にはこんなシンポジウムも行われました↓
http://ut-iris.org/page/event_171.html
しかしながら、第1回のトークライブで藤原帰一さんが指摘されていたように、
そのような危機感の増幅は、自民党の親米派とアメリカの知日派の
ごく狭い業界での話であることを、
最近指摘する識者もぼちぼち見受けられます。
いづれにしろ、この問題は、5月までに、結論を得るということと、
普天間問題は脇において日米関係の深化を進めるということなので、
とりあえず、推移を見守りたいと思います。