朝から雨。しっとりと地面に染み込むような、いかにも作物を育てる力のあるような雨だ。穀雨というんだっけ?昔の人の表現力に頭が下がる。しかしそんな風情を楽しむ暇もなく、Iは今日もA子に大声で急かされながら朝の支度。この大きな声が神経に障るので、つい俺もIに「一度言われたら動け!」と叱責口調で当たってしまう。本当は寝坊しようが遅刻しようが自分が引き受ければいいことなのに…。

 

職場は授業本格開始を控えた最後の特別日課。午前中は職員研修、本格的な観点別評価の導入がもはや避けられないことを痛感する。午後は歯科検診、教科書購入、図書館オリエンテーションとクラス単位の行動が続き、その呼び出しに奔走させられる。合間に問い合わせの電話や面談が突発的に入り、放課後に予定されていたケース会議の際には疲労困憊となる。しかしその会議にわざわざ東部の児相から駆けつけてくれた職員を思うと、ぼんやりなどしていられない。

 

まあしかしどれだけ生徒の抱える「大変な状況」を聞かされても、体が二カ所同時に痛がることはできないのと同様、対応するのにもおのずと限界がある。出来ることをしていくしかない。現に今日さっそく退学願いを受け取った。先週入学式の主任挨拶で「新入生138名、一人もかけることなく卒業できることを心から願っています」と言ったばかりなのに。この先何人欠けていくことやら。

 

これでやっと特別日課が終わり、ホッとしていると二年主任のN村さんがやってきて「お疲れ様、大変だったでしょう」とねぎらってくれる。去年同じ思いをした同志として、今の俺の心境がよく分かるのだろう。俺もここまでの忙しさと分かっていたら、果たして新主任を引き受けたかどうか…。

 

帰って夕食準備、今晩は手抜きで冷凍パスタ、総菜屋のキャベツサラダ・焼売・春巻き。俺のしたことはブロッコリーを茹でてサラダに和えただけ。それでも今の冷凍パスタは旨く、Iなど綺麗に完食。上二人にとってはちょっと味が濃すぎたようだが…。