Iが提案して班通学の出発時間を5分早めたとのこと、言い出しっぺなので遅れるわけにはいかず、朝からA子に追い立てられるように準備している。ただその理由が「毎朝低学年の子たちが先に来て待っているから」と思いやりに満ちたもので、早起きが苦手な自分を後回しにして提案できるなんて、なかなか立派だ。俺も5分早い出発なだけで環状線の込み具合もずいぶん違い、ストレスを減らして通勤できる。
しかし学校では相変わらずストレスフル。LHRは自己PR文を考えさせ、午後の現社は振り返りワークに取り組ませる。どちらも紙を配ってほぼ放置。こんなかかわり方でいいのかという自己嫌悪と、学習に向かう姿勢が低い生徒に何をやっても仕方ないというあきらめの、二つの感情に翻弄されて、現実では何も動いていないのに精神的に疲れる。それでも両方の授業とも、生徒たちはそれなりに取り組んで提出した。
テスト問題作りや要録書きで時間は過ぎ、定時に帰宅。夕食はA子が用意すると言っていたが、なかなか手をつける様子もなくYの迎えも自分で行ってしまった。俺に頼むのを済まないと思っているのか。待たされている間にどうしても酒に手が伸びてしまう。夕食は鶏牛蒡炊き込みご飯、ぶりの照り焼き、豚汁。手の込んだご飯で大変美味しいが、始まりが20時半過ぎというのはいかがなものか。
A子は作り終えると直ちにIの迎えに出発して行った。何とも忙しそうで、ただ酒飲んで待っていて食らうだけの俺が無能に思えてくる。まあいいか、仕事も家庭も必要とされることは引き受け責任は果たしているのだ。琥珀を膝に乗せようとすると、いつになく従順に抱っこされて喉を鳴らす。自信喪失気味な俺を、慰めてくれているのかな。