Iの「ゲーム買ってほしい」要求が、いつになく熱を帯びている。俺に対してはおずおずと様子をうかがう感じだが、俺が「ママと相談しておくよ」と答えたものだから、A子に対してはのべつ幕なしに「パパと相談してくれた?どうしたら買ってくれるの?」とせっついて止まないそうだ。基本A子は買うことに反対なので、ほとほと困り果てている様子。これまでも欲しがることはあったが、これほど切実に主張するのは友達との間で何かあったのか。いつも借りていることに対し引け目を感じて辛いのは分かる。しかし奴が欲しがれば欲しがるほど、与えることの悪影響を考えざるを得ない。

 

学校では今週~来週間に行う復習ワークのプリント作り。テストの時になっていきなり問題を見せても、半数はほとんど点が取れないのが実情で、あらかじめ「こんな問題を出すよ」と先に取り組ませておくのだ。要は問題漏洩、普通の学校ならとても認められない行為だろうが、問題文もろくに読めない生徒が混じっている集団では、とにかく諦めさせない、解答用紙に何か書こうという気を持たせるための工夫が不可欠なのだ。

 

LHRでは個別面談、一年間を振り返らせるが、殆どの生徒が授業にせよ学校活動全般にせよ「特に頑張ったことはない、印象に残ったこともない」と冷めた態度。そもそもこの学校へ通っているという時点で自己肯定感が低いのは分かるが、殆どが就職希望であることと考えると、自己アピールの必要性を訴え続けていかねばならない。

 

定時に帰宅、夕食はA子が用意してくれる。献立は鶏団子入り湯豆腐、レバニラ炒め、子ども達にマグロ叩き、俺にはカツオの刺身。A子は用意を終えるとIのミニバス迎えに出かけて行った。何もかも任せてしまって酒をかっくらっていることが後ろめたい。Iの帰ってくるのを待って、改めて「今のIにはゲームを買ってやれない」と伝える。可哀想だが、変に期待を持たせ続ける方が良くないだろう。これだけねだられたことは過去になかったし、よっぽど欲しいんだろうとは思うが…。