冷え込み厳しい朝、Yは今日も重いリュックを背負って歩いて駅まで向かう。普段の接し方はこれまでと何ら変わらないフランクさで反抗期的な兆しはみじんもないのに、何故か自立の意識だけ一段階成長したようだ。俺が高校生の時など全く逆で、仏頂面で全く家族と関わろうとしない癖に、衣食住の世話を丸々享受していて何の感謝も表していなかったっけ。そう考えると、今の老いたお袋が多少我が儘になったとしても、感謝の気持ちで受け入れてあげなければいけないのだなあ。
洗濯物は今朝もA子が干してくれるというのに甘え、いつも通りIと家を出る。金曜はひとつだけの授業、8人の地理A。年末最後の授業は3名だけの出席だったが、年始最初は開始時で2名。すぐにあと2名が遅刻で顔を出し、後半になってまた1名加わったが、それにしても出席率が低いこと夥しい。来週金曜のお袋通院(鎖骨骨折の術後経過確認)を、授業を振り替えられないからと延期してもらったが、こんな意識の低い連中のためにきちんと授業展開を考えるのが馬鹿馬鹿しくなる。…いやいや、一人でも受講生がいれば俺の使命は変わらないはずだ。出席者が損したと感じない授業を続けていかねばならない。
週明けに退学手続きをとるGの副申書を作成、改めて彼女のこれまでの波乱万丈な人生を振り返る。同じ時代同じ町で暮らしていて、こうも環境の違う世界にいるのか。家族という基盤を失った子どもの、社会自立の大変さを改めて感じいる。
1時間年休を取って早退。今日は寒さのためか部活もやっていないようだし、後ろめたさも感じずに済む。夕食準備は昨日の上二人のリクエストに応えて、お刺身と肉巻き野菜、暖かいものをと根菜汁。刺身は日中A子に頼んでおいたセンターAの中トロ中心のもの。肉巻きは茄子とオクラの2種。根菜汁は里芋が売っていなかったのが残念だが、大根人参牛蒡蒟蒻油揚げシメジ葱と具沢山。IとA子がピアノから帰ってくるのを待って、今晩は5人そろっての夕食。肉巻き野菜が好評で何より。それにしてもセンターAの刺身は質が良いなあ。