真っ暗な中で洗濯物を干していると、琥珀がベランダに出てきて手すり台に空いた飾り窓から身を乗り出して下をうかがっている。ちょっと脅かすとそのまま庭に飛び降りてしまいそうだ。そうなったら奴はどうするだろうか。びっくりしてどこかへ駆け去ってしまったら…どれだけ母子に嘆かれ恨まれるか。冷や冷やしながら刺激しないよう奴が飽きて室内に戻るのを待つ。

 

学校では教務の仕事として各教科から出た成績伝票のチェック。体育科の分を見ていて、通年科目なのに前期中間・期末と連続して1がついているのに今回になっていきなり「7」の評価がついている生徒を見つけ、もしやこの中間期単独で評価しているのではと担当のS田先生に確認すると、教科会議で今回はそのように決めたという。しかしこの学校ではどの年次の生徒も調査書発行の可能性があるので、全体で評価は通年で付ける決まりなのでは?とりあえず教科主任に伝え教務課長と連絡を取り合って確認することを促す。

 

その後体育科はバタバタと連絡を取り合いやにわに忙しくなった様子。結局全面成績つけ直しとなったようで、何だか申し訳なく感じる。しかし俺があの段階で指摘しなければ、もっと大ごとになったはずだからこれでよいのだ。

 

部活をちょっとだけ見て定時に帰宅。体育科の件があるので伝票はまだそろわず一覧表作成に着手できない。いつものように帰宅前にピアゴへ寄って、駐車場で何気なくラインを確認すると、Yからあと10分で駅に着くとの連絡。買い物を断念し、急いで向かい拾う。いつも運転している時間帯はラインでなく電話で連絡してくれと言っているのに、奴にしてみれば電車内で電話を使うのは恥ずかしいのかな。

 

家までの途中にある杏林堂で改めて夕食材の購入。生鮮品の種類が少ないのでメニューが限定される。結局麻婆豆腐と焼きサバにするが、豆腐がいつも買う奴より随分柔らかくて、グズグズな仕上がりとなってしまった。しかしA子はそれが逆に食べやすく気にいった模様。「明日父母に持って行ってあげよう」だと。俺はいつも仕上がりのきれいさにこだわっているが、他の家族はあまり評価してくれていないのかも。