朝ゆっくり過ごせるのはいい。今日はYも塾休みだし、いよいよ本格的に一家そろって大掃除か…と思ったら、午後からY下さん・A武さん家と子どもたちで映画鑑賞の約束だと。当然その送迎にA子も出ていくというので、本格的な掃除はできなさそう。A子に任せようと思っていた寝室の掃除を、仕方なく俺が受け持つ。本当は今日は風呂場掃除をしようと思ったのだが、あいにくの雨で洗濯物を風呂場に干してしまったので変更。出かける前の子供たちに、寝室に散らばった本の整理をさせる。言われれば素直に作業に取り掛かるのだ。

 

しかし作業が始まってすぐA子に「子どもたちの本を廊下の本棚に置きたいので、あなたの本をどかしてくれる?」と要請が入る。どこまでも親の介助を入れるんだなあ。親父の本棚から水墨画関係の本を撤去して縛り、空いたスペースに俺の本を詰め込んでいく。ふと二階に戻ると、子どもたちはすっかり作業を中断してYの部屋に3人集まってマンガを読んでいる。「掃除機かけられるまでには片付けておけって言ったろ」と続けさせようとすると、「ごめんもう時間だから」とまたしてもA子が間に入って、三人を連れて出て行ってしまった。

 

仕方なく寝室に散らばった諸々を移動させて順に掃除機をかけていく。数年前にベッドの下まで掃除して、A子に嫌な顔をされたので、自分が主に使っているところは自分で管理したいんだろうなと手をつけないでいたが、結局その後一度も掃除機をかけなかったようだ。積み上げられたぬいぐるみをどけると、虫の糞らしき黒い粒々が一面に広がって寒気がする思い。こりゃ不衛生とかいうレベルでなく、こんなところに子供たちを寝かせていたら病気になっちゃうよ。ベッドの下は使わない食器や子供たちの写真など、段ボールに詰まった諸々が押し込められていて、風通しが悪いせいかじっとり湿気ている。夥しい量の髪の毛・綿埃・砂・丸めたティッシュなどのゴミに交じって、ヘアピンや鉛筆などがいくつも出てくる。これらを取り分けて掃除機をかけるが、湿気ているため上手く吸い込めず、結局は手作業で拭き掃除。ベッドのウレタンマットもどけて掃除機をかけているところにA子帰着。子どもたちを映画に送りに行っただけにしては、ずいぶん時間がかかったな。

 

A子は済まなそうに「ありがとう」と言ってくれるので、一応ベッドの位置や重いものを元に戻した後、「じゃあ後は復旧よろしくね」と言って階下で過ごす。しばらくすると「じゃあ迎えに行くから」と出てきたので二階へ行ってみると、なにも進展していない。問いかけると「子どもたちが戻ったら一緒にやるから」と言って出て行ってしまった。その後、風呂掃除・夕食準備をしながら母子の帰りを待つが、今度もまたなかなか帰ってこない。15時半に出て行って、Yの「ただいま」の声が聞こえたのが18時過ぎ。思わず「遅かったね」と言うと「うんいろいろ買い物とか…」と言って済まなそうにしている、Yを責めても仕方ないので改めてA子に「何してたの?」と問うと「ラインしたけど」との返事。これまで何度もラインを確認して着信がなかったから聞いているのに。

 

段々怒りのボルテージが上がって、「少しは家のことやったらどうだ」と、ついに禁断のフレーズを口にしてしまうと、「少しもやってないと思ってるの?」と、予想できたが論旨をずらして反撃してくる。いろいろ言い合っているうちに相手が「じゃあもっと掃除しろってことね」と、珍しく的を射た返答をしたので、その機を逃さず「そう、掃除、掃除、掃除だ!」と声を張り上げてしまう。これだけ念を押せば、少なくとも俺が何を求めているかは伝わっただろう。

 

しかし彼女は常套手段のお袋の世話を焼いていることに加え、1年前の俺の義兄に対する愚痴を持ち出して反撃してくる。もう俺は伝えることは伝えた。昔の話はシャットアウトし、夕食作りに専念。今晩は肉団子と筍ニラ卵スープ。後から二階へ上がって「さっきは言いすぎた、ごめん」と頭を下げると、「あなたはそうやって謝っても、結局1年前のことも反省してなかったね」とびっくりの再反撃。ここは自分も悪かったと互いに謝り合う形で矛を納めたかったのだが、しばらくは冷戦状態が続きそうだ。年始の一族交流が思いやられる…。