晴天続きなのはありがたい。朝の打ち合わせで改めて生活指導は他人任せにせず全員で行うことを確認。こんな当たり前のことを上からの物言いで伝えるのは本当につらい。そう言うと向かいの進路課長W井さんが「先生のお気遣いは伝わってますよ」と泣けてくるような優しいお言葉。いまや学年で俺を誰よりフォローしてくれている。今年いきなり進路課長になって、俺よりずっと忙しいはずなのに…。
相変わらずE科の授業が冷え冷えとした雰囲気。俺の気にし過ぎなのか。ついにひそひそ話を続けるHとMに注意。授業の内容を話し合っているのは分かるが、俺がしゃべっている時にやられると気になる。そうするとますますシーンとなった雰囲気の中、本来なら一番受けるフランス革命時の三部会から国民議会成立のシーンも、俺が熱演するのを冷ややかに見つめる目が痛い。
いや誰も眠そうにもせず真剣に聞いていくれているんだよ。しかしこれまでの授業と違ってとにかく笑いが起きない。焦る俺はますますペースを失って上滑りな口調になっていく。自分でもわかるほど不必要に「ね」を繰り返し、念を押す不細工な語り口。どうしたんだ俺!と𠮟りつけたくなる。終わりの挨拶は(特に前に座ったN村とS口の二人だが)どの集団よりも大きな声で「ありがとうございました!」と言ってくれるのだが、それも空しく聞きながら惨敗の気分でそそくさと教室を出る。これが今週最後の授業だと思うと、週末の気分も上がらない。
放課後は教室に残って文化祭準備を進める生徒に対応する気持ちもあって、職員室に残り雑用。手が空いたので宮部みゆきの「孤宿の人」の続きを読んでいたらWさんがプール指導からやって来て明日の練習内容を確認。まずいところを見られちゃったなあ…暇なのにプールにも来ず時間をつぶしていると思われたかも。正直にWさんに言うと「全然!?全く思ってないですよ、先生の忙しいのは分かってますって」と言ってくれるが本音だろうか…。明日部員たちより早く来てクリーナーをかけることを確認。せめてWさんより早く来るようにしよう。
帰ると丁度A子とIも着いたところ。夕食はカツオ刺身に焼き肉。堂々と飲める発泡酒が旨い。家でリラックスできるのは、当たり前だが誰かの顔色を窺わなくて良いからだな。人間後ろめたいことがあると卑屈な感情が沸き起こるものだ。すると俺はE科生徒にどこか後ろめたさを感じているのか。G藤さんから俺に担当が替わって、質が落ちたと思われているのではというプレッシャーがそれにあたるのだろう。テレビはルパンシリーズを見ているうちに眠くなって途中退散。