朝、A子の表情は相変わらず硬いが、それでも車を出すときにわざわざ見送りに来てくれたから、一応怒りは和らいだかなと思っていた。と言っても怒り理由がよく分からないというか、あなたが怒る筋合いではないでしょうと諭したいのだが。とにかく俺は家で安らぎを感じたい。やっと週末にこぎつけたのだから、今晩は心からリラックスして夕餉を迎えたい。部活があるから20時過ぎの帰宅になると言って出勤。
不登校・保健室登校の生徒多発の問題は頭が痛いが、俺にできることは限られている分割り切って推移を見守るだけだ。俺が積極的に動かねばならないことは何か、今この時点で何を最優先すべきか、最近はこんなことばかり考えて勤務時間を過ごしている。結局、空き時間はせっせと翌日の日報を作っているのだった。授業の合間に読書ができていた日々が懐かしい。
いろいろ印刷物を発信する機会も増え、印刷室に籠っていると副校長が来てねぎらいの言葉をかけてくれる。それはありがたいのだが、言葉の端々に「学年主任の次はもっと重い責任を負ってね」と、今から種をまいているのではと感じられる言い回しが気になる。具体的には、新教育課程が始まる前に投げ出すと明言しているN本さんに替えて教務課長に指名したいのだろうが、俺も来年に卒業させたら絶対に転勤したいという気持ちは変わらない。まあ俺が意識過剰なだけで、そんな大役は任せないから安心してと言われるのが落ちかも知れないが。
温水プールで今月分の支払いを済ませ、Wさんと共に練習を見守る。ずいぶん久しぶりの練習参加だ。Wさんはどう思っているか知らないが、屈託なく俺にいろいろな職場の不満を吐露してくれる。俺もつい応じて、他教員のディスりネタなど黒い心情を吐き出し合う。だってN上さん、隣で授業しているのに一番離れた教室で授業の俺に欠席確認を頼むのだからわけを聞くと「いつも私が行くと生徒に『ああまたこいつか』と思われるものですから」って、どこまで自意識過剰やねん!
帰ると20時過ぎ。驚いたことにA子の態度がまた悪化していて、決して直接俺に話しかけず子供を通じていろいろ確認してくる。俺が直接話しかけても目を見ようとせず「ええ」「そうね」等の相槌のみ。どうしちゃったの?本当に俺が何をしたというの?夕食はピザだが、楽しい夕餉とは程遠い感じになってしまった。体重は昨日酒を抜いたこともあってダイエット以来たぶん最低記録の62.2㎏、この家庭状況が続けばストレスでますます痩せそうだ。