やっと終業式と思うと気分も軽い。今年の夏休みは三者面談も課外授業もなく、部活も補佐役なので責任感もそれほど感じずに済む。あるのは欠点者の補充授業と、8月末に行われる免許更新テストのためのネット講座受講だけだ。しかし更新講座を放送大学に申し込んで本当に良かった。夏休みの出勤時間を有効に使えるのが何ともありがたい。


唯一世界史で欠点を出したN山、期末テスト前から不登校になって欠点者指導もできず仕舞い。補充も追試も受けないなら受けないで本人の選択で良いのだが、その前に補充や追試の手順を説明して「欠点解消の手立てがある」ことを提示してやらねばならない。そう何度も言って、本人に来させるかこちらから家庭訪問に行くかを何度も担任のF原氏に迫るのだが、何とも歯切れの悪いリアクション。彼が電話で「(通信制の方が)お前に合ってるかもな」と言ったことが先方に恨まれている、と考えて接触をひるんでいるようなのだ。


仕方なく彼に断って俺が電話をかけ、本人とも話をするが、結局家庭訪問はできず、母親が放課後来ることで何とか説明&必要書類を渡すことができる段取りとなった。本当は本人にきっちり伝えたうえで、補充を受けるも受けないも本人が判断した、という状況に持っていきたかったのだが。終業式も無事終わり、通知票の訂正もほとんどなく、件の母親が来るまで長い午後を、免許更新のネット講座を視聴して過ごす。今日だけで4講座もこなしてしまった。

やっと来たのが約束より20分遅れの16時50分。そこから延々母親の愚痴を聞き、担任の対応の悪さを謝罪し、今後の指導に従った場合と欠席を続けた場合の状況を詳しく説明し、選ぶのは本人次第だと念を押す。最後には母親も恐縮し感謝の弁を述べてくれたので、どういう結果になってもこじれることはなさそうだ。

学校を出たのが17時半、渋滞する環状線を抜けて家にたどり着き、財布をポーチに移し替えて家を飛び出て電車に乗ったのが19時。終点で降りて会場のK竹荘まで早足で向かい、やっと会場入りしたのが19時50分。食べ物は殆ど残骸だけ、宴会の余興も終わってしまったようだ。18時半の開宴だからやむを得ないが、だから早めに学校を出たかったのに…。

でもK田先生・K原先生・S本先生の担任団がすぐ俺を取り囲んで、次々にビールを注ぎながら感謝の言葉を延々述べてくれるのに、有り難いやら恥ずかしいやら。これまで俺は人に感謝されるような存在から遠いのだと思っていたが、こうやって主任をやってまんざらでもなく受け入れてもらっているのだと、こちらこそ感謝の気持ちで一杯になる。宴会の最後に副校長のところへ行って、「おかげさまで何とか役目をこなせています、違う風景を見せていただいてありがとうございました」と感謝の弁を述べると、大げさなほど「安定した運営ぶりで、私の目に狂いはなかった」等々、こちらもお褒めの言葉をずいぶんいただいた。

人間、褒められると単純に嬉しいものだね。明るい気分で帰途につく。ほとんど食べ物はなくビールばかりで腹を膨らませた感じだが、ダイエット中なので丁度いいだろう。歩いて帰ると、電車に乗っている間にA子がメールを送ったようで「なんで電話くれなかったの?迎えに行く途中で買い物も済ませたかったのに」と妙な叱られ方をする。こちらの気遣いが空回りすることもある、というかそれが殆どなのが人生で、今日のようにきちんと報われるのが尊い経験なのだろう。