F市実家で迎える朝、ここの祭りはとんでもなく早く始まる。まだ5時になったかどうかという時刻から屋台を引く掛け声とお囃子の音が前の通りを鳴り響く。今日が初日で祭り開始の合図だからというが、好きな者はいいとして付き合わねばならない町の役員がかわいそうだ。そう言うと義兄が去年に続き今年も具合の悪い義父に代わって班長を務め、日曜の屋台引きに付き合わねばならないんだと。お疲れ様です。

部活も何もない休日に加え日中もF市実家で過ごすとなると、徹底して何もしなくていい身分だ。義母の用意してくれた朝食をいただき、合唱伴奏に向かうA子を送り出した後ゆっくり起きてきた子供たちとトランプ、百人一首で遊ぶ。でもYは宿題が気になるようで、百人一首は抜けさせて俺とWで勝負。Iのたどたどしい読みが却ってスリリングで面白い。しかし子供が生まれてからずっと一緒に「遊んでやっている」つもりだったが、そろそろ子どもたちの方が「宿題やりたいけど仕方ないからパパに付き合ってやるか」くらいに思っているのかも。

昼に帰ってきたA子と、またも義母特製の栗入りお汁粉とお握りをいただく。まるっきり上げ膳据え膳だね。その後いったん家に帰って、下二人は子供会のハロウィンパーティーに仮装して出かける。と言っても数年前に買った魔女風、黒猫風衣装と代わり映えはしないが。2時間ほどして戻ってきた二人とYを乗せ、またF市実家へ。A子はそのまま残って子供会の役員決め。今晩の屋台引き見物に備えて三人とも顔や手に関ジャニのシールを貼ってお祭り気分を高めている。

実家ではまたまた義母お手製の散らし寿司をいただき、さすがに今回は洗い物を手伝う。缶ビールと日本酒は、この後の屋台見て歩きに備え少々にしておく。向かいからA香ちゃんが来て一緒に商店街を歩く。まあ俺は警護兼お財布役だ。今日は好きな者を遠慮なく買ってやると言ってあるので、欲深なIは張り切っている。まずは水あめウェハース(IとW)に始まり、リンゴ飴(A香と三人)、チョコバナナ(同)、Iだけもう一度水あめと、最後に電球の形をした容器に入ったサイダーが欲しいという。本当に光る電球もついていて一つ600円もするが、最初に大見えを切った手前やめとけとも言えず買ってやる。

商店街の真ん中で屋台を囲んで大変な人だかり。聞くと之から餅播きだというので子供たち勇んで参加。しかし撒かれるのは餅ではなくほとんどが袋の駄菓子で、軽いため屋台のほんの手前にしか落ちず後ろの方の大部分はやきもきして見てるだけ。まあ冷静に考えれば競り合って奪い合うようなものではないのだが。終わって三人ともほくほく顔で戦利品を見せるが、キャベツ太郎とか味ごのみとか、まあ食べないだろうというものばかり。入れる袋がないというので、着ていたパーカーを脱いでくるんで持ってやる。

ぶらぶら歩いて帰宅。途中記念写真を撮ってやったら、A香が「絶対送ってね」と念押ししてきた。仕事を辞めて戻ってきたA香にとって、今の実家は居心地がいいだけの場所ではないだろうが、今回うちの三娘たちと一緒に懐かしいお祭りに出られたことは童心に返れるひと時の安らぎだったかも。帰ると丁度子ども会の会合から帰ったA子と一緒になり、ずいぶん感謝されその後は先に寝かせてもらえた。まだまだ子供たちは元気で、相当夜更かししそうな勢いだが…。