結局Iも不調を訴え、熱は37℃台だが大事をとって学校を休むこととなった。現金なもので休めると聞いたら奴はすっかりご機嫌になって、寝転がってお絵かきを始めている。まあ予防注射を打っていると発症しても熱は上がりにくいというし、周囲に迷惑をかけてもいけないので仕方ないだろう。
学校へはマスクをしていく。俺も感染しているかもしれないが、今のところ自覚症状はない。授業は午前にひとつだけ、看護の二次を受ける生徒の面接指導をしてしまうと後はやることがない。これまでの学校では周囲も読書したり早退したりとリラックスムードが漂っていたのだが、この職場は3年のこの時期でも、いやだからこそ緊張感が漂う。小論や特別課外の指導、をしている先生ばかりではないと思うのだが、目につく人は皆忙しそうだ。息が詰まるね。
しかし形だけ仕事をするふりも馬鹿馬鹿しい。開き直って読書を続ける。「ジャニーズと日本」は彼らのプロ意識を礼賛した内容でそれほどの問題提起はないが、SMAPが本流のアメリカ的エンターテイメントを外れてカジュアルな身近さを演出して人気が出たことが、今回の脱退解散騒動につながったとの分析はなるほどと思う。「貧困世代」は若者の社会自立に公的支援が必要と訴えたもので、これはその通り納得。しかしその財源をどうするかとの分析までには至っておらず、結局パイの奪い合いが世代間の対立を生むのではとの思いを持つ。
定時に帰宅、夕食は俺とYだけがリビングで、A子とW‣Iは寝室でとる。Yがこれから感染してしまうと、まず週末の発表会に出られなくなってしまうから。献立は冷凍餃子とモヤシ&ソーセージ炒め。Yと二人、百人一首の上の句を出し合って答え合う。Yはもう9割以上覚えているようだ。俺は全然かなわないが、奴のおかげでこの年になって和歌の魅力に再度触れることができてうれしいよ。