親父の見舞いに弟が駆けつけてくるというので、その対応もあって一日年休。今年は年休の消費ペースが早いが、親父の容体を考えればやむを得ないだろう。ゆっくり朝食用意や子供の見送りができるのが嬉しい、と思う気持ちに罪悪感を抱いてしまう。「親父見舞いのために年休をとったのに、のんびりしているなんて…」と口に出すと、A子さも呆れたように「(年休を)取ってしまえば後はどう過ごそうと同じじゃん」だって。その通りだよ、俺の居心地のなさもまた偽善のなせる業か。朝食は残り物にジャコ卵焼きを作る。

祈を送っていきホッと一息ついたところにS二到着。昨夜のうちに家を出、SAで仮眠をとりながら来たらしい。ギターケースを抱えていて、10日前から始めたばかりなんだと。親父の好きな曲を病室で歌ってやりたいというが、まだコードチェンジも覚束ないくせに…。しかし何だかんだ理由をつけて実行に二の足を踏む俺と比べ、なんていう行動力だと感心。俺も屋根裏からギターを持ちだし、二人で「星影のワルツ」を練習。ちょうど今日昼二隔離病棟の個室から一般の大部屋に移されるというから、個室にいるうちに聞かせることができて良かった。

A子は「親子水入らずで」と遠慮し、お袋を連れて3人で病室へ向かう。昨日は思ったより具合がよさそうと聞いていたが、今日会うと呼吸が苦しそうでやはり衰弱が目につく。肺炎が大したことなくても、動脈瘤が少しずつ大きくなり肺を圧迫しているのだろう。俺達がギター演奏している間も、聞いているというより何かに耐えているかのように眉根を寄せ目を閉じて横たわっていた。お袋の方が感激したのか涙ぐんでいた。肺炎が治って退院したとしても、移動や風呂トイレの介助が本格的に必要になりそうだ。その後病室の引っ越しを手伝う。大部屋は寒いとしきりに言うので、追加の毛布を持ってきてもらう。

親父と一緒に病室で昼食をとるというお袋を残し、俺とS二は家でA子を拾ってB家ラーメンへ。平日の昼前、しかも雨降りだから空いているだろうと思ったが、限定のつけ麺を目指して開店前から並んでいるのだろう、既に満席で待たされたあげく俺たちの二人手前で「つけ麺終了」とアナウンスされる。うーん、まだ一度も食べれていない。お初のA子と弟は塩のチャーシューメン、3度目の俺は醤油の普通ラーメン。スープが旨いと好評。先週末にかかった医大病院の支払いを済ませ、まず祈の降園、続いて二人の下校をS二が出迎えびっくりさせる。

夕方になり弟が帰らねばならないと腰を上げると、祈の奴大泣き。全く、言うことを聞かないくせに激情家なんだから。弟もこれから4時間以上かけて帰るのは大変だろう。夕食は手を抜いて子供たちにレトルトカレー、茹でソーセージと千切りキャベツ・トマトを大皿に並べただけ。Yは金魚の餌やりがかぶってしまったことを気にして「餌あげたよ」「まだあげていないよ」の2種類のメモスタンドを作ってくれた。ありがとう、活用させてもらうよ。