朝は納豆、茄子ピーマンとベーコンの炒め物、大根の味噌汁に卵を落とす。しかし朝飯はいろいろ手をかけても、Yなど起きぬけのぼんやりした顔でいつまでもテーブルを見つめているだけで、箸に手を伸ばそうとしない。比較的寝起きがよく食欲旺盛になったYでさえこうなのだから、俺たちが家を出た後の和子・祈がどんな朝食態度か、だいたい想像がつく。それでも帰ってくるとそれなりに量が減っているのは、ひとえにA子の孤軍奮闘の結果だろう。初めからそんなに作らなければとも思うのだが、足りなかったといわれるのも癪なのでつい多くなる。

授業は月曜日課。先週から来週にかけてやたら授業変更が多く、その結果クラスによって授業進度に大きな差が出てくる。話す内容が大きく違ってくると、どのクラスで何を話したかを忘れてしまい、同じ話を繰り返していないか気になる。生徒はそんなに身を入れて聞いているわけではないから、別に話がかぶってもどうということはないのだが。落ちのある小ネタ話を、もう先を知っている生徒相手にしたり顔で滔々と語る自分が間抜けに思えて、「これ話したっけ?」と何度も確認してしまう。自意識過剰だね。

A子の依頼で買い物をして帰り、夕食はシチューとパン。俺が子供の頃は固くて美味しいと思えなかったフランスパンを、子供たちは喜んで食べる。特に和子が好きで、子供用に分けるぶどうパンやバターロールよりずっと欲しがる。この子はグルメになりそうだ。A子のシチューは鶏肉も小さく野菜も柔らかすぎるほどで老人食のようだが、子供たちは三人とも喜んで食べ、それぞれ完食。いつも思うが、俺の手料理よりずっと受けがいいようだ。悔しいが子供向けに徹せられる彼女の気配りの力だろう。

子供たちを寝かせつけた後、月も替わったことだしと気まぐれにこのブログの背景やプロフィールに表示される名前を変えてみたが、最近はそれほど料理に時間をかけることができていない。今の家の状況では、凝った料理よりも手早く簡単に、子供の食べやすいような、辛すぎず・熱すぎず・味の濃すぎずといった中庸路線が求められていて、あまり意欲が湧かないことも事実。しかし家族に求められる味を作ることが、「家メシ鉄人」の使命だろう。