疲れが抜けぬままウィークデイが始まる。大会会場で会った旧知のJさんに「最近仕事が辛くて…家では明るく過ごせるんだけどね」とこぼすと、「それって新型うつじゃない?」と返されてしまった。職場に向かう時だけ気分が落ち込む症状をそう言うのなら、俺は半分ほどはそれにかかっているのかも。しかし何と命名されようとカテゴライズされようと、やるべきことはやらねばならない。ゴミ出し、洗濯、朝食は納豆とジャコおろし・味噌汁残り。子供たちにはお袋作のおはぎが好評だ。

クラスは全員揃っているし、授業は皆よく聞いてくれるし、部活に至ってはこれまで持った中で一番と言っていいほど熱心な奴らだ。何も不満はないはずだが、自分自身の中に前向きに取り組もうという意欲が減退してしまっているのが情けない。この学校に赴任して丸9年、気分一新を図るためにも、そろそろ転勤を希望すべきなのかも。いや職場を替えるのは逃避に他ならないか、今の役割を誠実にこなしながらこのダウナーな時期をやり過ごせれば一番良いだろう。

放課後遅くなって部活を見に行くと、今日は練習免除で「部室の掃除だけやっとけよ」と伝えてあった女子たちは、まるで引っ越しでもするのかと思うくらいの勢いで、全ての道具や荷物を外に出して徹底的に掃除をしている。男子はチョイスメニューで泳げと言ってあったが、これももう暗くなった中を一層懸命泳いでいる。俺がメニューを与えた時よりも練習量が多いくらいだ。つくづくしっかりした奴らだなあと思う。先に帰るわけにもいかず、せっせと片付けを手伝う。

帰宅が19時近くになってしまったが、母子はまだピアノ練習中。鶏肉とピーマンをレトルトのトマトソースで炒め煮、フランスパンをオーブンで焼く。和子はぶどうパンやロールパンよりも本格的な固さのフランスパンが好きなようで、パンばかりいくつも食べている。お洒落といい味覚といい、外見よりずっと大人びている。しかしその外見、今月の健康診断では身長体重とも3~4歳児の標準のまま。成長ホルモンが不足している疑いがあると言われ、一度検査に連れて行かねばとA子と話し合う。少々小さくても立派な和子の個性だとは思うのだが。