朝はかなり涼しく感じられるようになった。エアコンを利かせて寝ていても、夜中に止めたくなるほど。しかし日中はまだ存分に暑い。エアコンのリモコンスイッチを持たずに教室に入っていくと、生徒の恨めしげな視線を感じてしまう。朝食はキャベツ・ベーコンのカレー炒め、納豆、子供たちだけ目玉焼き。Yの唇は大した怪我ではなく、放っておいて大丈夫なようだ。今日は二人で家を出、和子と祈は大慌てで降りてきて見送ってくれる。やっぱり俺よりYとの別れを惜しんでいるようだ。

授業が本格的に始まった。当たり前だが、しっかり準備した授業はそれなりに手ごたえを感じる。「まあ大丈夫だろう」と適当におさらいしただけの授業は、往々にして迷走し生徒のつまらなそうな反応を浴びてしまう。それだけならいいのだが、これまで度々この眠そうなやる気のない態度にこちらが過剰反応して、厳しく叱ってしまい、さらに雰囲気を悪くするという悪循環に陥っていた。授業をつまらなくしているのは俺に責任があるのだから、せめて穏やかに接せねばと心がけている…今のところは。

部活は後半のダッシュに何とか間に合った。俺がいなくてもかなり真面目に取り組んでいるようで心強い。練習を最後まで見て帰宅すると、どうしても18時を越えてしまう。本当はもっと練習時間を伸ばしたいのだが、夕食準備から寝かせつけまでのスケジュールを考えると、この辺りが限界だ。今日も帰ってA子と顔を合わせるや否や、「もう本当に疲れた」と先に言われてしまう。聞けばYと和子がそれぞれ友達を連れて来て、レッスン生もいるのに対応に追われ、祈もぐずって困らせてんてこ舞いだったという。いや本当に大変だと思うよ。

夕食はレトルトカレー、だけでは何なのでインゲンとベーコン炒めを添える。上二人のピアノ練習が終わるのを待って夕食。待っている間に堪え切れず缶ビールを1本空けてしまう。このところまた飲酒の頻度が高まってしまっている。せっかく作ったのに、子供たちは炒め物には見向きもしない。カレーはよく食べ、それより付録についていたプリキュアのジグソーパズルに三人とも夢中になる。Yなどストップウォッチでタイムを計り、俺がより早く完成できたと知ると、どうしてももう一回やると言ってきかない。しかし「負けるつもりでやるからね」と相変わらず予防線を張るのが、却って負けず嫌いを表しているような。