チェックアウトは12時なので、とことん朝寝をして昨日の怒涛の一日の疲れを癒そうと思ったのだが、体内時計が今日も作動して5時過ぎには目を覚ましてしまう。母子を起こさぬようそっとベランダに出て読書。海風が吹いてきて気持ちいいが、7時が近づくと日射しが強くなり暑くていられなくなる。トイレで読んだりベッドサイドの明かりを小さく点けたりして読書を続け、母子が起きるまで時間を潰す。連中は7時過ぎに起き出し、弟一家と朝食バイキングへ。今日もやっぱり行列、この家族群は我々同様昨日丸一日遊んで、今日は撤退組なのだろう。

その後チェックアウト時間近くまでかかってA子はお土産選びと発送の手続き。弟一家は辛抱強く待っていてくれたが、親父達はさっさと朝食を済ませ、自分たちで気ままに動きたいと別行動を取りたそうなので、帰りの電車の時間にホームで待ち合わせることにする。築地の魚河岸を見物したいのだと。俺たちはホテルを出、東京スカイツリーを目指す。もとより展望台に登れるとは思っていないが、近くへ行くだけでも何がしか見るべきものはあるだろう。東京駅で荷物を預け、シャトルバスに乗って直接ツリーの駐車場へ当たり前だが大変な混雑。いろんな展示や土産物売り場があり、展望台に登らなくても充分時間は潰せるが、新幹線の時間があるので子供たちだけで記念写真。4階のテラスでツリーをバックに(カメラを覗きこむような超下からアングルでやっと)背景に収め、弟一家と別れる。

バスで東京駅に戻る。まず行きが10分間隔+臨時便でどんどん出ていたのに対し、帰りのバスは20分間隔(そりゃツリーに人が溜まってしまうわけだ)、悪いことに前の便が出てしまったばかり。それでもまあ余裕で間に合うだろうと乗り込んだが、東京の道路事情は悪く予定より10分も遅れて到着。しかも乗った場所の八重洲南口と遠く離れて日本橋口に降ろされてしまう。荷物を八重洲南のコインロッカーに預けてあるのに。A子に母子の分の切符を渡し、先に改札を抜けてホームに出ているように頼み、俺は駅の外側を走って荷物を取りに向かう。人混みの中、不慣れな道を走って目的地に向かうのは心細いものだ。何とか荷物を取り戻し、ホームに向かうと、新幹線は既に到着しているものの、母子がまだ来ていない。

やきもきして待っていると、疲れた表情でA子が登ってきた。和子がトイレに行きたいというので探していると、係員が案内してくれるというのでそれについていったら、エレベーターから遠く離れた場所に連れて行かれてしまったという。祈を乗せたベビーカーを押しているので、駅構内はエレベーターがないと移動できないと、分かりそうなものなのに。とにかく間に合って良かった。しかしシャトルバスの中でもそうだったが、新幹線の中でも祈の騒ぎが収まらず、大いに閉口させられる。奴は今なにか大声を出せば俺たちが困って比較的言うことを聞いてくれそうだと感づいて、意図的に騒いでいるような気がしてならない。地元駅に着き、私電に乗り換える頃には寝入ってくれて心底助かった。

自宅に着き、まずは気になっていた水槽を見ると、何とか金魚は4匹とも無事のようだ。餌をあげると2日ぶりのため群がる気迫が違う。窓を開け放って空気を入れ替え、やれやれと一息つく。人混みが苦手で、これまで極力大勢集まるところは避けて過ごしてきたが、今回はあえてど真ん中に突入して新たな経験値が加わった気分。正直ディズニーランドはもうお役御免と言いたいところだが、A子の情熱ではまた数年先には引っ張り出されることだろう。しかし今回の体験が自信となって、いたずらに恐怖を感じて消極的になることはないかもしれない。何事もやってみることだね。