薬のお陰で体が楽になってきた。それにしても昨日はよく寝たなあ。殆ど一日布団に入っていて、A子はいつものような疲れた顔をみじんも見せずに一切を引き受けてくれた。ついその前日彼女が具合悪くなって寝込んだとき、俺は如何にも「やれやれ」と言った顔をして家事や祈の世話をしぶしぶやっていたっけ。因果はめぐるという真理を噛みしめるとともに、己の器の小ささを思い知る。朝体温を計るとまだ38℃。A子の買ってきてくれた梅がゆに、さらに梅干しを乗せていただく。子供たちは昨日のさつま芋ご飯の残りにジャムトースト。俺は今日一日年休を取らせてもらっている。

Yと和子は今日から学校復帰。また今日はえらく冷え込んで、病み上がりには酷だろうと往復個別送迎とする。Yをそうして和子だけ班登園というわけにもいかない。ただでさえ行きたがらず朝の着替えも億劫がっている和子を、なだめすかして車に乗せる。甘い親だね。祈を階下に預けたいところだが、親父も風邪をひいてしまって寝込んでいるため頼れない。俺が相手をしていると、まだ変な咳が目立ち声もしゃがれている。何より食欲が殆どなく、気のせいか顔もやつれてしまったようだ。そのくせ相変わらずのいたずら好きで、こちらが制止したことをあえて見せつけるようにやる天の邪鬼ぶりは健在。

祈を寝かせつけ、A子と二人で録画してあったBSフジの「古畑任三郎」を見る。第二回のゲストは堺正章、若いねー。歌舞伎の大名跡という、いかにも本人がやりたそうな役柄。コロンボを下敷きに、徹底して分かりやすくシンプルにしたのがこのシリーズヒットの要因だと改めて思う。コーヒーとコーヒー牛乳ぐらいの違いを感じるね。でも懐中電灯をめぐる心理戦はなかなか見ごたえがあった。その後二人で昼食。A子が「巻き寿司なら食べられるだろう」とスーパーで買おうとしたのだが、今日は恵方巻きの日だとかで変な太巻きばかり、高い値段で売っていて仕方なくそれを買ってきたとのこと。何だかすっかり国民行事に仕立て上げられたようだが、どこの誰がやってるの?違和感を禁じえない。

子供たちが帰ってきて、A子がYを連れてピアノレッスン送迎へ。俺は子供たちの相手と夕食準備。今日はすがきやラーメン、具はハムと小松菜・ふわふわ卵。母子が帰って食事、その後住宅ローンの借り換えの兼で銀行員が来訪、話を聞いたり書類を作ったりで1時間以上かかってしまい、Yと和子が楽しみにしている豆まきが遅れてしまった。しかしうちの子供たちはどうしてこうお客さん好きなのかね。チャイムが鳴ると玄関に跳んできて、「いらっしゃーい」とまとわりつく。変なサービスする店じゃないんだぞ。祈までがわざわざ話をしている俺のところに何度も来て「アメいい?」と尋ねる。「いいから上でママにもらえ」と言っても同じことの繰り返し。この「知らない人と仲良くなりたい」欲求は、多分にYから放散されているもので、下二人はそれに影響されているのだとは思う。