朝起きてゴミ出しや洗濯など日課をこなしながらネットを眺め、談志訃報の続報や関係者のコメントを探している。何だか思った以上に「立川談志の死」が俺の中に大きく圧し掛かっていて、頭から離れない。俺にとって談志は決して好きなタイプの噺家ではなかった。まず演出過剰でオーバーなセリフ回し(これは現代の殆どの噺家に言えるかな)、噺の途中で解説や余談に入ってしまうこと(これは「談志ならでは」の長所にもなる)、ジョーク集から集めてきたかのような小噺が面白くないこと、など。
しかしそれらの欠点を差し引いてなお、こんな地方在住の俺にも落語の魅力を充分に感じさせてくれた稀代の表現者であったことに疑いはない。殆どがCD・テープの類だが、若いころの鼠穴・五人廻し・鉄戎・へっつい幽霊等の卓越した話術、近年の松曳き・金玉医者・やかん・風呂敷などの前衛的な表現力、いずれも「彼からしか味わえない」確固たる味があった。名演との評価高い芝浜・らくだ・黄金餅などは、話芸と言うより演劇的すぎて感じられ、あまり好きではないが。そしてYが生まれるより前のことになろうか、A子と二人で行ったこの街での独演会、初めて生で聴いた「紺屋高尾」、噺もよかったが最後まで壇上に残って観客を見送る談志の姿に、傲慢だと思っていた印象を変えさせられた。
談志は昭和の名人の声帯模写が上手かった。これら名人たちを愛しているんだなあと感じさせられる声真似だった。師匠小さんの真似だけはあまり上手いと思えなかったが。談志自身は自分を革新的な人間だと信じ行動していたのだろうが、俺は氏の伝統を愛し継承していこうとする姿勢、それが噺ににじみ出てくるところが好きだった。俺自身は昇太を高く評価するが、昇太の話芸など認めない、まして白鳥など落語ではないという談志の美的感覚が、良く分かる気がする。談志が死んで、小三治や米朝が老衰しかつての話芸が望めない今、彼の持っていたであろう美意識にかなう「伝統を感じさせ、かつ現代に聴かせる力を持つ落語家」として誰が挙げられるだろうか。
志の輔は素晴らしい落語家だとは思うが、あまりにも現代的な解釈であり現代的な語り口調に、つい興ざめしてしまう。談春は師匠にそっくりだが、だからこそ「なら談志のCDを聞こう」と思わせてしまう。志らくは最近「江戸の風」という表現で伝統の様式美を取り入れていく意欲を示しているようだが、以前の彼のギャグ落語しか知らない俺にはあまりにもイメージがかけ離れていると感じる。談笑は噺の新解釈が興味深くCDが出れば必ず買うが、一度聞けばもういいと思ってしまう。解釈は面白いが話芸として楽しめないのだ。地方在住者としては、CDでの繰り返し鑑賞に堪える力のある噺を切に希望している。正直なところ、新作で繰り返し楽しめるのは ̄濂「中沢家」、∪醋「ガーコン」くらいだ。
朝は納豆とジャガイモ若布の味噌汁、焼きジャケ。昼は購買パン(ナゲットバーガーと言う変な奴、まずかった。それに焼きそばパン)。補習をやって帰り、夕食はレトルトカレー。あー上手い落語を存分に聴きたい。「談志百選」注文しようかなあ…。
しかしそれらの欠点を差し引いてなお、こんな地方在住の俺にも落語の魅力を充分に感じさせてくれた稀代の表現者であったことに疑いはない。殆どがCD・テープの類だが、若いころの鼠穴・五人廻し・鉄戎・へっつい幽霊等の卓越した話術、近年の松曳き・金玉医者・やかん・風呂敷などの前衛的な表現力、いずれも「彼からしか味わえない」確固たる味があった。名演との評価高い芝浜・らくだ・黄金餅などは、話芸と言うより演劇的すぎて感じられ、あまり好きではないが。そしてYが生まれるより前のことになろうか、A子と二人で行ったこの街での独演会、初めて生で聴いた「紺屋高尾」、噺もよかったが最後まで壇上に残って観客を見送る談志の姿に、傲慢だと思っていた印象を変えさせられた。
談志は昭和の名人の声帯模写が上手かった。これら名人たちを愛しているんだなあと感じさせられる声真似だった。師匠小さんの真似だけはあまり上手いと思えなかったが。談志自身は自分を革新的な人間だと信じ行動していたのだろうが、俺は氏の伝統を愛し継承していこうとする姿勢、それが噺ににじみ出てくるところが好きだった。俺自身は昇太を高く評価するが、昇太の話芸など認めない、まして白鳥など落語ではないという談志の美的感覚が、良く分かる気がする。談志が死んで、小三治や米朝が老衰しかつての話芸が望めない今、彼の持っていたであろう美意識にかなう「伝統を感じさせ、かつ現代に聴かせる力を持つ落語家」として誰が挙げられるだろうか。
志の輔は素晴らしい落語家だとは思うが、あまりにも現代的な解釈であり現代的な語り口調に、つい興ざめしてしまう。談春は師匠にそっくりだが、だからこそ「なら談志のCDを聞こう」と思わせてしまう。志らくは最近「江戸の風」という表現で伝統の様式美を取り入れていく意欲を示しているようだが、以前の彼のギャグ落語しか知らない俺にはあまりにもイメージがかけ離れていると感じる。談笑は噺の新解釈が興味深くCDが出れば必ず買うが、一度聞けばもういいと思ってしまう。解釈は面白いが話芸として楽しめないのだ。地方在住者としては、CDでの繰り返し鑑賞に堪える力のある噺を切に希望している。正直なところ、新作で繰り返し楽しめるのは ̄濂「中沢家」、∪醋「ガーコン」くらいだ。
朝は納豆とジャガイモ若布の味噌汁、焼きジャケ。昼は購買パン(ナゲットバーガーと言う変な奴、まずかった。それに焼きそばパン)。補習をやって帰り、夕食はレトルトカレー。あー上手い落語を存分に聴きたい。「談志百選」注文しようかなあ…。