家族皆で枕を並べて、エアコンの効いた寝室で夜を過ごしている。設定は28度だがそれでも充分快適、ただ眠りが浅くなってしまうのは一人寝になれているせいか。今日は昨夜のような大騒ぎはなかったが、何故か3時半に目覚めてしまう。何げなく普段あまり開かないA子と共用のメールソフトを立ち上げると(普段はヤフーのメールで済ませている)、大学時代のゼミ同期生から訃報の連絡が入っていて驚く。I教授が亡くなられたという。

俺たちの代が先生のY大現職教授として最後のゼミ生だったということもあり、学生時代には既におじいちゃんの印象が強かった。ゼミの打ち上げでは紹興酒を旨そうに飲んでいたっけ。卒業してしばらくは定期的に集まっていたが、子供ができてからは数年前に一度お会いしたきりとなっていた。後から悔やんでももうお会いできないのだ。早速メールをくれたT嬢と連絡をとり、明日の告別式に駈けつけることを約束する。例年この週末は県大会だったのだが、今年は久しぶりに予選落ちだったためテスト前休みもあって部活もなく、フリーの週末となっていた。

ただ、A子には申し訳ないと思う。この週末俺がいることを心強く思っていたに違いない。それでも訳を話すと「いいよ、行ってらっしゃい」と冠婚葬祭のけじめを重んじる彼女ならではの対応を示してくれた。朝食は納豆・焼きタラコ・昨日の炒め物の残りにキャベツの味噌汁。今日は和子の耳と祈の発疹を診てもらいに医院へ連れていくという。よろしくお願いします。俺は学校ではテスト監督と昨日の総会資料の発送、テスト問題作りで過ごす。午後から年休、Yと小学校で待ち合わせてピアノレッスンへ。

レッスン室でいつものように熟睡し、かかりつけ医に寄って血圧と尿酸値の薬をもらい、家に帰るとA子が青ざめている。祈を外で遊ばせていて坂道で転んでしまい、鼻から上唇にかけて切り傷をつくってしまったという。見ると傷の様子はそれほど深刻そうでもないが、雑菌が入って化膿すると跡が残るかも、といった感じ。本人は手で触ろうとして止められるので泣きぐずっているが、痛みはもう去ったようだ。お袋には消毒して放置しておけばいいと言われたようだが、結局日赤病院の救急受付に連れていくことに。

A子はしきりに「傷が残ったらどうしよう、本当にごめんなさい」と恐縮しているが、子供を育てていて怪我は付き物だろう。全く転びも火傷もせず金甌無欠のごとく育てたとして、それが本人の生きていく力にとってためになるかどうか。そう言って慰めるのだが、殆ど聞いていないようだ。娘だけに顔の傷が残ったらと思うと責任を感じるのだろう。医者にも「完全に傷が消えるとは言えません」と言われさらに落ち込むA子、しかし医者としては当然の表現だろう。鼻にテープを貼ってもらい、わりと機嫌良く過ごせた祈。帰宅してピザを焼いて夕食。やれやれ今日もクタクタだ。