唯の吐き気はどうやら治まった様子、夜明けまでよく寝てくれた。ところが祈も熱を帯び始め、しきりとぐずる。元気なのは俺と和子だけとなってしまった。一日休んで看病したいところだが、テストも作らねばならないし、今日は職員全員必修の研修もある。相変わらず喉が痛いが熱は下がったというA子に託し、今日はピアノレッスンを休ませて医者にかかってもらう。

学校へ行けば雑用に振り回されて慌ただしく過ごしてしまう。しかし授業は正直テスト間近の埋め草的内容だし、研修も職員パソコンの取り扱いといった後でマニュアルを見れば分かるものだった。管理職がやけに徹底して全員参加を呼びかけていたが、それほどまでして受けねばならないものだったか疑問だ。家では和子も休ませたので3人を抱えてA子が奮闘しているかと思うと、急いで帰ってやらねばと思う。階下のじいじばあばにもっと頼ればいいのだが、それも俺からでなく彼女が直接いろいろ依頼するのは、同居して3年経とうとしている今でも抵抗が強いらしい。

しかし研修後は、センター利用受験の検討会が待っていた。俺のクラスで対象者は一人だけ、しかも志望校ははっきりしていて併願せず玉砕覚悟でそこだけ受けると言うから、本当は検討の必要もないのだ。とは言え三年担任の一人として他クラスの受験生も無視できない。ジリジリした気持ちを抑えて会議に臨む。それでも長々と続く検討会にしびれを切らし、結局定時を少し回ったくらいで主任に訳を話し、退席させてもらった。スーパーでうどん玉やかまぼこなどを買い、急いで帰って鍋焼きうどんを作る。

唯はインフルエンザではないとの見立て、しかし相変わらず食欲はなく殆ど食べず。意外なことに見た目元気な祈が、診察すると喉が真っ赤でインフルの可能性があると言う。先週サッカー大会に連れ出した時にかかったのだろうか。熱も高く40度近くに上がっている。和子だけは相変わらず元気、しかしその元気を持て余して、忙しくしている俺達に何かとわがままを言ったり大声で叫んだりして、可哀そうだが邪魔くさく感じてしまう。とっとと風呂に入れて、今晩は皆早めに寝つくことにする。