祈の世話で何度か起こされ、寝足りなくて明るくなるまで布団の中で過ごしてしまう。7時過ぎに唯に起こされ、不承不承に床から抜け出す。まるで親子逆転だね。祈は可哀そうにまだ熱が高く苦しそう。朝食は納豆・豆腐とシメジの味噌汁・ジャガイモとソーセージのカレー炒め。休日医を調べて電話すると「乳幼児は○○へ行ってください」と別の医療機関を紹介される。調べてみると毎日曜開業しているのが売りの幼児クリニックだった。相当混んでいるのではと危惧して、一応予約して行ったのに案の定駐車場に入りきれないほどの混雑。仕方ないからA子と祈だけ降ろして俺は帰宅し連絡を待つことに。

唯と和子は今日も自ら進んで留守番。尤も行きたがっても待合室で病気をうつされてもつまらないので止めさせただろう。とにかく二人で楽しく過ごせるようになってくれて大いに助かる。予約で指定された時間に行ったのに、1時間以上経ってもA子から連絡来ず、心配していたらやっとメールで診察終了を知らせてくれた。メールじゃ気付かない場合もあるだろうに、何故電話しないんだと思って後で聞いたら、祈を抱いたまま待合から出て寒い戸外で電話するのに気が引けたんだと。なるほど、携帯が普及していつでも連絡が取れて当たり前と感じているから、電話連絡がないこと自体を大ごとに受け止めてしまう。

母子を迎えに行くのには二人ともついて行きたがった。帰ってきてA子が肉まんやホットケーキを作り昼食。祈は診察しても熱の理由はよく分からず、とにかく解熱剤やウィルスを押さえる抗生物質など薬を山ほどもらって来た。いつも行く子ども医院とは大違いだ。でも原因が分からないのにこんなに薬を処方するというのもどうかと思う。熱でぐったりした祈を寝かせつけ、母子が階下でピアノ練習している間、俺は夕食のハンバーグ作り。チーズをトッピングしていい具合に焦げ目をつけ、付け合わせの人参やエリンギのソテーの他、わざわざフライドポテトも作って、今日こそは子供たちの満足を得たかったのだが。

唯も和子もなかなかテーブルにつかず、食事が始まっても遊び食べでぜんぜん美味しそうじゃない。毎回「何が失敗点なのか」を考えて反省するが、今日我ながら上出来のメニューで喜ばない子供たちを見て考えを改めた。要はお腹が空いていないのだ。どんだけ手をかけて子供たちの好きなメニューを並べても、結局は義務としての食事になってしまう。それでいて昼やおやつが少ない時など、A子の作る塩むすびだけだって奪い合って食べるのだから、いかに空腹にさせておくかが大事か分かる。唯は最近俺の顔色を窺うようになって、やたら「作ってくれてありがとう」と言うが、そんなお礼よりも綺麗に平らげる姿を見せてくれた方が何倍も嬉しいのになあ。