朝食は昨日のポトフの肉をさらに煮込んで柔らかくし、薄切りにして白菜と炒める。酒で煮汁を伸ばした他は何も調味料を加えなくても、煮詰めた肉の旨みが濃厚にからんで絶妙な一品となった。A子も一口食べて、「もっとお肉残しておけばよかった」と昨日食べてしまった分を惜しむほど。これだけ柔らかくしても、子供の口には肉の繊維は手に余るようで、専ら白菜ばかり食べている。ソーセージやハムなら喜んで食べるんだけどね。今はまだ手の込んだ料理を評価してもらえない。

いよいよ唯の小学校入学に備えて、ランドセルを買いに行く。A子が市内のカバン屋を吟味して二件に絞り、さらに唯の欲しがっている「ワインレッド」の品揃えが充実しているという駅南の店に決定。ママ友によると既に土日は予約が殺到して大層混んでいるというので、その後のA子実家レッスンに間に合うよう早めに出かける。ずいぶん分かりにくいところだという話の割にはあっさり見つかり、さらに混んではいたものの希望の品番をすんなり予約できて、A子はいたく感激している。

思っていたよりずっと早く実家に向かうことができたと、A子は上機嫌。俺に言わせれば「なんで買うものも決めていてそんなに時間がかかると思ったの?」と不思議なのだが、彼女はこの人気店で散々な障壁を乗り越えて目的にたどり着くという悲壮なイメージを抱いていたらしい。実家で子供たちを遊ばせながら、俺は別室で読書させてもらう。祈がぐずったりすると俺が介助しなければならないが、義父母も子供たちの相手を喜んでしてくれるので、家で過ごすよりずっと負担が減る。

今読んでいるのは図書館で借りた「罪と罰」。手塚治虫の漫画で読んだことはあったが、この古典にじかに触れるのは初めて。ストーリーは確かに興味深いのだが、ロシア文学の登場人物は名前が覚えにくいとは分かっていたがこれはまた特別にこんがらがる。おんなじ人物なのになんでこんなに呼び方が変わるんだろう。今の小説につきものの「登場人物一覧」もないし、しょっちゅうページを戻して誰だったか確認しないといけないのが骨だ。今やっと上巻の終わりごろまで進んだが、下巻を読み終わるのにまだ日数がかかりそう。

A子のレッスンが終わるのを待って帰宅、スーパーで焼き鳥や肉まんなどを買って帰り、簡単な夕食とする。終わり間際のスーパーは生鮮食品が半額になっているものが多く、あれもこれも買いたくなって迷う。安物買いの銭失いとはよく言ったものだ。先日に続いてまたロースのブロック肉を買い込んでしまい、これは明日中に叉焼にすることに決める。二人は車中で寝て来たのでいつまでも元気だ。風呂に入れ、寝室では祈が寝ているので客間で絵本を読んで相手をしてやるうちに、いつしかこっちが眠りに落ちそうになる。