寝室のベッドではA子と三人の娘が折り重なるように寝ている現状が続いており、さすがに狭苦しく感じるようになってきたようだ。とにかく和子の寝相が悪いので、祈に手足がぶつかって泣き出してしまうなんてことも再三あるらしい。いよいよ別室にベッドを買って、上から順に一人寝に移行させる時期が来ているのかも知れない。唯はそろそろ「ママと一緒でなければ眠れない」という時期から離れつつあると思うが、いざ現実となるとどうかな。朝食は納豆・キャベツとソーセージ炒め。子供たちはふりかけご飯を欲しがるねえ。

学校は午前中授業、午後は芸術鑑賞教室。同僚のS田・N村先生を乗せて会場へ向かう。今年度の演目は舞台劇で「センポ・スギハラ」。クラスの連中は高校最後の演劇鑑賞ということで盛り上がろうと、元気な奴らが最前列に陣取って待ち構えている。が、始まったのは「どシリアス」な反戦ヒューマンドラマ。あわよくば舞台上からいじられ、引っ張り上げられることも期待していただろう奴らは見事に肩透かしを食らい、おそらく多くは睡眠タイムに移行していったのではないか。かく言う俺も途中ちょっとウトウトしてしまった。

もちろん演劇を通じてヒューマニズムや道徳観を教育するという意図はあっていいが、全員を着席させ劇が始まってからは鑑賞態度を注意是正することなどできない。結局、興味関心の続く奴だけがメッセージを受け取り、脱落した奴らは「演劇ってつまんねーの」としか思わず鑑賞の機会を終えるのではないか。せっかく年に一度の芸術鑑賞、演劇は「音楽」「古典芸能あるいはミュージカル」と組み合わせての3年に一度のローテーションで廻ってくる貴重な機会なのだから、難しい教育的効果などはほどほどにして「劇ってこんなに面白いんだ」と思わせるだけで充分な気もする。もっとエンターテイメント性の高い演目であれば生徒も多くが最後まで注目するだろうし、その後の人生で余暇の利用に選択肢が広がろうというものではないか。それが芸術鑑賞会の果たす役割として適切なところかと思うのだが…。

鑑賞後は現地解散、でも多くの生徒が部活や補習のため学校に戻る。その波を掻き分けるように車を走らせ学校に戻り、職員室で定時まで勤務。家に戻り、夕食はA子の用意したシチューとパンだったが、なぜか別に用意してあった〆サバを日本酒とともにいただいているうちに、明日から金婚式旅行に出かけるお袋が惣菜を作り過ぎたと言って余りを持って来、それらをいただいて満腹になってしまう。シチューは明日もらうことにしよう。発表会の近づいてきた唯は、今日から夜も課題曲の練習をするという。もちろん張り切っているのはA子で、唯は気が乗らない様子。終わったら一緒にプリキュアを見ようと約束して、何とか前向きに取り組む気分になったようだ。