夏休みだというのに、どうしてこう毎日忙しいのか。面談も補習も終わり、仕事らしい仕事は部活のみで、それも合同練習に来ている他県高校のコーチに任せっぱなしだというのに、毎日が分刻みの慌ただしさに追われている。思うに俺はまだ子供がいない時代の「ここまでは仕事、ここからオフ」という区切りのついた生活から、身体がシフトチェンジしていないのだな。目の前にある膨大なやらねばならないこと、それらをこなしながら合間合間に休息をとる、という家事育児を中心とした生活様式に、まだまだなじめていないから、定時定業の勤務ではないこのような夏季休暇の期間に、却って強く疲れを感じてしまうのだろう。今朝も起きて洗濯・朝食用意。F市実家からもらってあった野菜天ぷらを乗せたそばを作るが、子供たちには不評。

唯・和子を階下の両親に託してA子と祈を駅まで送り、そのまま部活へ。A子は実家での伴奏仕事。先週から家でのレッスンも始めており、彼女の仕事が本格化すれば、それだけ俺の家事負担(というか家にいなければならない時間)も増し、それだけ仕事へのしわ寄せが増えてしまうというのが悩みの種だ。練習は相変わらず他校顧問が立てた内容をただ見守るのみ。今日はI先生とマネージャー・女子部員たちは小学生の水泳大会に運営補佐で参加しており、H高は男子部員のみ。昨日の午後から練習の中心はT大付属の先生が進めており、この先生俺にも水泳練習の自論を説くなど熱心な改革派だ。午前練(と言っても13時近くまで行ったが)を終えて失礼する。

急いで家に戻り、二人を連れて唯のピアノレッスンへ。M乃先生に改めてコンクール優勝の礼を述べる。和子はレッスンの間全く手を焼かせず、静かに持参したブロックで遊んでいられたのが助かった。その後今度は母子を迎えにF市実家へ。有名な花火大会が今夜開催されるので、あちこちで交通規制が行われている。実家について子供たちを降ろし、俺は預けてある分と実家の分の二袋を精米に再度出かける。案内にくどいほど「花火大会に駐車場はありません」と記されているにもかかわらず、車で来て何とかどこかへ止めてしまおうという輩が多いらしく、あちこちで止める場所を求めてさまよっている車で渋滞を引き起こしている。実家に戻り、録画してくれてあった「ポニョ」を初めて見て、近所の小学校に花火を見物に行って(誰もいない絶好の観覧ポイントなのに、二人とも音が大きくてあまり喜ばず、早々に退散)夕食(コロッケと野菜の素揚げ)をごちそうになって、子供たちの風呂と歯磨きを済ませ、車中で寝てしまってもいいように準備して、帰宅。

花火大会と逆方向なので道は空いている。しかし実は、今夜は我々の住んでいる地域でもすぐ近くで大きな花火大会があるのだ。もう始まって半ばも過ぎたので会場近くまで来ても渋滞してはいないが、遠くに見えていた花火が、家が近づくにつれ次第に大きく迫ってくる。子供たちは案の定車中で寝てしまい、家についてベッドに移す。今日も部活は半分をまるで参加しないまま終えてしまった。他の顧問先生は俺を「預けっぱなしで失礼な奴」と思っていることだろう。でも仕方ない、何日も家を空けて部活漬けの毎日を送るなんて、どだい今の俺には無理な贅沢なのだ。幼い子供を抱えた家で、家事育児一切を妻に任せて仕事に専念するなんて、心理的にも(A子の技量では)物理的にも不可能だし、いくら有能な奥方であってもでも道義的に許されるものでないだろう。今回の部活途中抜け出しや、その他仕事へのしわ寄せで俺への社会的評価が低下するのは甘んじて受けるしかない。