ホテルでは快適に眠れた。いつもと同じ5時に目が覚め、テレビをつけるとWCサッカーの真っ最中。ウルグアイ-ガーナという地味な組み合わせだが、思わず見入ってしまった。PKで勝敗を決するのは残酷だなあと、改めて思う。6時半に揃って朝食を摂り、幸い今年の宿はよく眠れたようで元気良く出発。

会場について学校受け付けをして、プログラムを開いて驚いた。俺が計時の主任になっているじゃないか。一人しか選手が出ていないので、完全にお客さん気分でいた。慌ててホワイトボードを用意して出欠確認の準備を進め、折り返しの主任と相談して競技役員交代の時間を合わせる。しかし実際に係打ち合わせになると、いろいろな先生から「この時間は抜けたい」だの「早く帰らせてほしい」だの勝手なことを言われ、すっかり頭に来てしまう。こういう時こそ平常心で物事をさばけるようになりたいものだ。競技が始まってしまえば、後はまあ楽だ。

S嬢注目のレース、予選は5位通過できたが安心できない。去年は予選から決勝の間でコンディションを落としてしまったのが敗因だった。昨日のアップ時にH高I先生にお願いして、帯同トレーナーにレース前マッサージしてもらえるようになり、少しは気分も変えることができるだろう。そう信じて見守った決勝レース、着順は同じだが見事タイムも上げて堂々ブロック大会出場権を得た。審判長を務める父上のS先生が、嬉しさをかみ殺すように近づいてきて、「まあ、こんなタイムじゃ全然満足できないけどな」なんて悪口を叩いていた。素直じゃないね~。

宿へ帰り、夕食時に二人にジュースをおごって皆で乾杯。この遠征中、普段はめったに声をかけない俺が少しでも雰囲気を和らげようと極力話しかけるようにしているせいで、多少は会話が成り立つようになってきた。それもこれも上位大会進出を決めた喜びと安堵からか。昨日同宿だったH工は初日でレースが終わったらしく、入れ替えにI東が来て、これも図ったように顧問と選手二人の組み合わせ。尤もどちらも地元に県出場できなかった部員を大勢残しての遠征で、3年が引退しても2人だけ(しかも一人は半幽霊部員)が続くというのはうちくらいなものだろう。