今日はテスト最終日。やっと担当している教科のテストが、それも6集団いっぺんに実施されドカっと返ってくるから、週末は丸つけが大変だ。部活も再開し、金曜日なので唯のピアノ送迎もある。何かと忙しいので弁当を作っておく。いつものシャケ弁。お袋が新しく梅干しを作ってくれないので、いつまでも去年のかびた様な失敗作を弁当に詰めている。こんなのでも、スーパーに売っている梅の酢漬けのようなものよりはましだ。
 
予想していたが、学校にいる間に採点している余裕はない。放課後何とか予定通り練習を消化させて、A子が唯を連れて正門前に来てくれるのを待つ。どうでもいいが年休簿はついに記入欄の裏表が埋まってしまった。しかしA子から電話が入り、忘れ物をしたのでこちらに来るのが遅れるという。ぼんやり車の中で母子の到着を待ちながら、この待ち合わせ時間に間に合わせるためにどれだけ時間の工面をし、仕事や練習の段取りを整えたかと思う。結局15分遅れで到着したA子に、「悪いけど、少なくともインターハイが終わるまではもう送迎はできない」と言い放つ。
 
しかしA子も疲れた顔で「それはそれとして、とにかくじいじもばあばも出かけちゃっててんやわんやだったのよ」と唯を引き渡しす。釈然としない思いでレッスンに連れて行き、帰ってくるとちょうど親父とお袋が相次いで帰宅。親父は以前から麻雀の会だと言っていたが、解せないのはお袋が映画に行ってしまったこと。何で親父が留守の時に合わせて出かけるの?子供のことを頼まれたくなくて脱出するのかと疑ってしまい、不満をお袋にぶつける。するとまあ当然だがお袋も面白くなさそうな顔で「A子さんには行っていいか確認して出かけたのに…」と納得できない様子。そりゃA子も看守じゃないんだからダメとは言えんだろう。俺が言いたいのは状況を見て配慮してほしいということだ。
 
怒っていても仕方ない、今晩は教科の歓迎会があるのだ。パソコンのシンケンジャーをセットして、母子が見ている間に駅へ向かう。教員の新しい異動はなかったが、新任の校長が日本史専門という。教科全員揃って(しかも、いつも遅れがちなメンバーが皆定刻前に来ていて、時間ぴったりに着いた俺はビリ2だった)楽しく酒が飲めるという間柄は、確かに他の教科ではないだろう。日中の不満をしばし忘れて歓談。一次会で帰るとA子が駅に迎えに来てくれて、俺がお袋とケンカしたことを「さっきはありがと」と礼を言われた。別にA子の味方になって突っ張ったわけではないのだが。